ランニング フォーム 改善! 骨盤 肩甲骨 姿勢 習慣 など

ランニングフォームの改善に役立つ教本や関連本を紹介、フォームを進化させて走力を上げましょう!

身体操作教本:「身体づかいの常識革命!」 高岡英夫著

「身体意識を鍛える」の続編、より具体的に運動の動作を解説!

 

 「身体意識を鍛える」が2003年発行、この「身体づかいの常識革命!」は2005年の発行。前著と重なり合う部分はもちろん多いですが、特徴的なのは身体意識の使い方を「走る」「打つ」などの具体的な動作の中で説明しているところです。ちなみに2006年発行の「究極の身体」はより理論的で体系的な内容でした。

 まずは、身体意識の中心となるセンターについてです。今回は、支持線というキーワードが登場します。これは、ランニングでいうところの地面からの反力(垂直抗力)のようなもののようです。

 

 

センターを形成する2本のライン
支持線と重心線のベクトルのずれをモーメントといい、支持線のベクトルはつねに重心線のまわりを、先回りしながら動くことで、身体のバランスを保っている。

 

 具体的な運動の動作である「走る」ことの解説に入る前に、一般的には運動や動作をいうイメージのない「立つ」ことの解説に入ります。より正確に言えば、下にあるように「すぐれた立ち方」であり、その後の「すぐれた歩き方」や走り方の動作につながっていきます。自分がこの立ち方を実践するときのポイントは、下のポイントの他に、膝を脱力することです。どうしても、姿勢を正してまっすぐに立とうと意識すると、「気を付け」の意識が働いて、身体の各所が力んでしまうことがあると思います。特に膝を伸ばしてしまうことです。そうすると前腿(大腿四頭筋)が緊張してしまいます。そこで膝を脱力させ、やや膝を前方に微妙に曲げることで大腿四頭筋に入っている力み(緊張)を開放させてやることができます。そうすると裏腿(ハムストリングス)を働かせやすくなります。この際、足のつま先をやや外側に向けることもポイントで、ウナ(くるぶしの下)に乗りやすくなります。

すぐれた立ち方のチェックポイント
・全身がゆるんでいる。
・いつまでも立っていても疲れない。立っていることがで気持ちいい。
重心は高いのに、身体が地面とつながっていることを実感する。
・足の裏の、脛骨の延長線上にある「ウナ」に重心を乗せて立てている。
・股関節の裏側でハムストリングスを働かせ、上半身の体重を受け止めている。
・腰が前に反り過ぎていない。
・胸を前に反らし過ぎたり、猫背になったりしていない。
肩に力みがなく、クターッと自然に下に下がっている
・地球の中心から一線が身体の中心を通って天に抜ける感じがする。

 

 立つことから、歩くことに移ります。「すぐれた」とついているので、「すぐれた立ち方」から始まります。そこから、片足を上げて、重心を前方に移動させ、バランスがある意味崩れて、それをカバーするために上げた足を 着地する、この連続です。

すぐれた歩き方のチェックポイント
・一線が身体をスーッと上下に貫いている。
・長距離を歩いても疲れない。
・速く歩く努力感なしに速く歩けてしまう。
・手足が抵抗なくプラーンと振り子になったように自然に振れる。
体幹の内部までゆるゆるにやわらかくなって歩きに参加している。
・前ももなど、身体のブレーキ筋を使わず、裏転子が働いて、ハムストリングスを股関節まわりで使って歩いている。
・足の裏の、カカトのど真ん中よりやや外側→足のやや小指側寄り→人差し指の順に体重が滑らかに移動し、人差し指と中指との間付近からきれいに体重が抜けていく。
・地面にソフトに足が置かれ、体重が楽にその上にストーンと乗って歩いている。

 

f:id:Tomo-Cruise:20180215061916p:plain 体を脱力させて立ったり、歩いたりすることができれば、背骨を自然にしならせることができるでしょう。脊椎を固めないことを意識して、緩やかなS字ラインをつくり、片足を上げると、自然と腰椎上部辺りが横方向にしなる(=波動)のが理想です。

歩く、走るという運動の中身をきわめていくと、2つの動きの原型に遡ることになる。
1つは基本となる「立つ」ということ、もう1つは魚類のくねくねした「波動運動」、別の表現をすれば体幹部の運動ということ。
実際、モーリス・グリーンや一時のカール・ルイスのような身体の柔らかい短距離ランナーは、背骨をしならせながら走っています。

ラドクリフ末續慎吾は、哺乳類のXY平面での波動運動に対して、YZ平面のトカゲ型の波動運動を使っている。
右肩から右腰の距離と、左肩から左腰の距離が、一歩ごとtに、交互に長くなったり短くなったりしているのが特徴。
トカゲのような動きを取り入れたと思ったときには、まず手足だけを動かすというような身体の使い方をやめて、力を抜いて、背骨1本1本を組み合わせて左右にやわらかくくねらせるような動きを意識しながら走る練習をしてみてください。

 

  マラソンランナーの登場です。「力を抜け」というのは、これまでの身体を緩めることの大切さを読んで、なるほどと、うなずけますが、「構えるな」とはどういうことでしょうか?下にあるように上体の振りでしょうか。確かに走るときに腕を構えてしまいがちです。やはり腕は構えて振るのではなく、下半身の(骨盤の)動作によって、振られることが大事なのでしょう。

監督(藤田信之監督)は、一番キツイところで野口みずき「力を抜け、構えるな、構えたらどんどん落ちていくぞ」と、声をかけていました。「どんどん落ちていく」というのは、重心であり、気力であり、スピードであり、スタミナです。

野口みずきの走りには肘を開いて腕を左右に振るという特徴がありますが、これは、肋骨上部に、自在に動く肩が乗っているような形状である「肩包体」という身体意識によるものです。もちろん、周囲の骨や筋肉がゆるんでいるからこそできる動きです。

その肩包面上の肩包体が内的運動量の一致により、下半身の大きなストライドとバランスを取るために大きく横に振られているわけです。

 

身体づかいの常識革命! 高岡英夫 著