ランニング フォーム 改善! 股関節と肩甲骨を動かそう!

ランニングフォームの改善に役立つ教本や関連本を紹介、フォームを進化させて走力を上げましょう!

ランニングフォーム考察本:「走れ!マンガ家ひぃこらサブスリー」 みやすのんき 著

漫画家による既成フォーム理論への疑問&サブスリー達成までの体験記

 

 ランニング教本としては異色のタイトル・内容で書店のランニング関連本の中でも とても目を引きます。構成としては3つの章から成り、第1章ランニングフォーム考察第2章は著者のサブスリー達成までの体験記第3章はサブスリー達成に向けた練習メソッド となっています。
 著者のことをよく知らなくても タイトルに「マンガ家」とあるので、自ずとマンガ的表現が多いのではと思いがちですが、そうでもないです。イラスト(もちろん著者の書下ろし)はありますが、一般的なランニング教本と比較しても多いほうではありません。が、挿絵的なイラストはもちろん上手くて面白くて、具体的なイメージの沸く表現となっています。
 著者もアピールしていますが、他のランニング教本と根本的に違うのは、学生のころからのランニングエリートの書いた本ではなく、中年からランニングを始めサブスリーを達成したハウツー本であること。英語を学ぶときにネイティブから教わるか、苦労して英語を身につけた日本人から教わるか、どちらの方が教えるのがうまいのかとも自身でも指摘していますが、その通りだと思います。
 確かにランニング教本は、自ずとトップアスリートの書いている本が多いですよね。必然的に企画段階でそうなってしまうのでしょう。漫画家がランニング関連本を出すということは滅多にないことだとは思います。しかし漫画家ってマニアックというか、凝り性で徹底しているというか、内容はかなり濃く専門的だと思います。またフォーム考察に関しては漫画家独自のビジュアル的視点がおおいに生かされています。また練習メソッドなどはイラストからのイメージ的解説というよりはかなり理論的な内容です。
 よってマンガを活用しての初心者用のマラソン入門書では決してなく、中級者以上、少なくともマラソン経験者向けの内容となっています。ランニング未経験者が読み物として楽しめるのは第2章の体験記くらいでしょうか。個人的にはフォームを考察している第1章を何度も読んでは実践してみて確認していく、という教科書的な1冊となりました!

 

 さて、以下にランニングフォームの考察で指摘されている重要点を抜粋してみます。

 

  •  シザース動作は必須:簡単にいうと、前の足が着地する前に後ろの足が前の足を追い越す、といった動作です。
     脚は常に身体の前で回転させる意識。ママチャリのペダリング動作に似ている。着地した脚のキックと空中スイングして前に戻る脚のパワー出力のタイミングをシンクロさせると相互作用でより効率的に脚が回転します。
  • アフリカ系のエリートランナーの意識:ストライドを抑えようとしている。脚は拡げようしているのではなく、拡がり過ぎてピッチが間延びしないように閉じようとしている。
  • 走る時は、骨盤から前に行くような気持ちがよい。等速局面では、股関節の屈曲に対して上体全体をやや反らして胸あたりを地面に垂直にしたくらいが、楽で正しい姿勢。
  • 下半身は骨盤の振り出しに引っ張られて、大転子→膝の順番で前に振り出される。あくまで身体の中心に近い骨盤が先に動き出す
  • 膝は着地した瞬間に勝手に反応して固まってくれて、そして自然に曲がる。無理にそれ以上曲げようしない。「自然に曲がる」という動作が大変重要。
  • 肩甲骨の動作:肩甲骨は寄せるのではなくて、距離を保ったまま自由に左右に揺れるようにすると一番楽に動かせる。ランニング時に肩甲骨は前後や上下に動くのではなく、スムーズに内転、外転の横の動きを繰り返すだけ。
  • 骨盤と胸、肘で前面に壁を作る。横から見て、肩や肘を上半身より前に出してはいけない。腕の振りはその壁で止めて、を引いてあげることで次の骨盤の動きの原動力となる。それが腕振りの主な働き。
  • ランニングは、足首・膝・股関節も屈曲して着地することが大切。上体は、骨盤前傾のみではなく上体全体で反る、腰低意識。=DHC(Down Hip Controll)。=バーベルを担いでスクワットをする姿勢:お尻を出す・お腹を落とす=上体を無理なく反らせる。
  • 大きな筋肉を使い、膝から下はただ置きに行く。
  • 腕振りや脚の回転力は筋肉の収縮運動、地面からの反力は筋肉の弾性エネルギーを使う。

 

 第1章がランニングフォーム改善についてのテキスト的内容です。ので初めは理解できなくても通しで読んで、走ってみてまた読んで、と繰り返すと徐々にわかってきます。フォームに興味のある人は何度も第1章を読みましょう。

 第2章は著者のサブスリー達成体験記ですので読み物として面白い内容です。見事にサブスリーを達成するまでのサクセスストーリーです。達成するまで続ければ誰でもサクセスストーリーができるじゃん、と思いがちですが、サブフォーであればそうも言えますが、サブスリーはなかなかですよね。

 第3章はサブスリー達成に向けての練習メソッドを体験をもとに詳しく説明されています。とても参考にはなりますが、サブスリーを目指したメソッドなのでサブフォーを目指すレベルのランナーや初心者ランナーにはきつい内容ですし、かなり専門的です。誰にでも参考になるのは、最後の方にある著者のオリジナルrのイラストとともに紹介される①バランストレーニング、②自重を活用した筋力トレーニング、③動作づくりストレッチ(肩甲骨や股関節の可動域を拡げるもの)でしょう。
 いずれにしても、第1章の内容だけでも、ランニング関連本でこの本がヒットしたのが納得できますし、ランナーであれば大いに買う価値があります!

 

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