豊富なイラストでウォーキングのためのゆるストレッチを解説!
またまた高岡氏の本です。今回はタイトルにある通り、ウォーキングに関する教本ですが、これまでに紹介した「ゆる体操」や身体操作の内容を含んでおり、基礎知識としてその概念を知っておくと、実践するときの吸収が早いと思います。
高岡氏の他の著書(身体操作やゆる体操に関する本)もランニングフォームの改善に有用な概念を含んでいましたが、今回はウォーキングの具体的な身体操作教本なのでランニングフォームの改善に直接的に有用な内容となっています。
そもそもランニングフォームに関しての本は巷に溢れていますが、ウォーキングに関しての本はごくごく少ないですよね。また、このブログで紹介した、みやすのんき氏の「大転子ウォーキング」でも指摘しているように、一般的なウォーキングフォームの概念に間違っていることが多く、その概念を正すためにも、とっても有用な本です。具体的な間違っている概念とは、「腕を勢いよく振って歩く」や「大股でカカトから着地する」などなどです。たかが、歩くことと侮ってはいけません。奥が深くランニングフォームにも影響してきます。
みやすのんき氏も指摘していますが、ランニングフォームは動作が速いのでフォームのチェックが自分自身では困難であるのに比べ、ウォーキングは動作が比較的遅く接地時間も長いのでフォームを自身でチェックし改善していくことが容易なのです。
外観的なフォームのチェック、改善もランニングに比べ容易ですが、より内面的な身体の使い方もウォーキングのほうが自覚しやすいといえます。
さて、内容ですが、かなり具体的に、正しいウォーキングに向けた身体の緩め方が豊富なイラストで解説されています。まずは、腕肩周り、次に骨盤周り、ハムストリングス、そして体幹へと進んでいきます。
そして各章のコラム的なコーナーで「身体意識」などの高岡氏の独自の理論が出てきます。かなり実践的な内容の本で、読み物というよりは、身体を内部から緩めるアクティブストレッチのハウツー本なので、やはり先に「究極の身体」などを読んでおいたほうがよいでしょう。
ひとつだけ、他の著書にあまり被っていない独特の言葉、概念を抜粋し紹介します。
この”ゆるむ”、”重みを感じる”、”垂れる”の3者はとても脚相がよく、垂らそうとすると重みを感じやすくなり、重みを感じようとするとゆるみやすくなり、その逆も言える関係になっている。
そこで、私は、ゆるむ=緩、重みを感じる=重、垂れる=垂 とし、その三つをつなげて「緩重垂(かんじゅうすい)」をいう用語を作り、トレーニングで大いに利用している。脱力を図ることが軸となっている私の全メソッドを通じて、この「緩重垂」はとても重要な用語である。
この「緩重垂」を理解し、その感覚を手に入れただけでも、この本を買う価値があると思います。
高岡英夫の歩き革命
高岡 英夫 (著), 小松 美冬(構成)単行本: 217ページ
出版社: 廣済堂 (2004/02)
言語: 日本語
ISBN-10: 4054016022
ISBN-13: 978-4054016026
発売日: 2004/02
梱包サイズ: 20.8 x 14.8 x 1.8 cm