ランニング 独学! 教科書、フォーム、意識、考察 etc

ランニングフォームの改善に役立つ教本や関連本を紹介、フォームを進化させて走力を上げましょう!

(続)身体操作教本 「重力を使う! 立禅パワー」 松井欧時朗 著

武術指南書ランニングフォームのヒントが満載⁈

  本書の記事はアップしたばかりでしたが、再度読み返したら肝心な箇所の紹介が漏れていたことに気づき(元記事を編集して追加しもよかったのですが、結構長くなってしまうので)、続編としてここに紹介します。

 それにしても、ランニング関連の書籍ではないのに、こんなに引用抜粋したい箇所が多いというのも意外です。武術家がマラソンランナーに転向したら結構速くマラソンを走れるのかもしれません。ですが、競技上の性格が違うので実際はあまりなさそうですね。

 

 本書の主な内容の紹介は一つ前の記事にあるので、そちらに目を通していない方の為に一応リンクを張っておきます。↓

それでは、追加抜粋をシェアします(・・・・は中略です)。

第5章:意識で引き出す身体の力より

主観と客観、力の表裏

 力には双方向性がある。前方に押せば必ず後方への力が働く。力の双方向性を体認し身体の使い方に活かすと瞬間的な力と速さが増し、あらゆる方向への変化の自由さが獲得される
 力の双方向性は、意識面では主観と客観または能動と受動、物理面では作用反作用の法則を通して説明できよう。・・・・
・・・・

 「頭を吊るされている」は外部の力によって上へ伸ばされる感覚、「頭を押さえつけられている」は外部の力によって下へ縮められる感覚だが、これら真逆の力が実は同じものである、ということが「力は双方向性を持つ」という意味だ。
 改めて、吊るされるイメージを持ってみる。頭頂部のロープで上から引っ張られている。このイメージ(体感)には、実は別のイメージが内包されている。それはそのロープを引き下ろしている、というものだ。上から吊られているので、それに身体(体重)が抵抗して引き下ろしているのだ。「吊られている」すなわち上方向への力が受動的なイメージで、「引き下ろしている」下方向への力が自らが動く能動的、主体的なイメージである。
 反対に押さえつけられているイメージではどうだろうか。この感覚にも、やはり別の側面がある。「上から押さえられている」感覚には、逆に下から上に突き上げる感覚がある。上から押さえられているので、それに負けないように抵抗しているのだ。この場合「上から押さえられている」、つまり下方向への力が意識上でメインとなる受動的なイメージ、「上へ突き上げて抵抗する」上方向への力が自らが動く能動的、主体的なイメージだ。
・・・・
 我々が普段何気なく立っているときにも、常にこの力は働いている。このようなイメージをせずとも、上方向と下方向の力は等しいのでお互いに打ち消し合って身体が感じることはない。しかし、この相反する矛盾した力を相殺せずに、矛盾のままに感じることで得られる力がある。それが冒頭で述べた「瞬間的な力の速さ」「あらゆる方向への変化の自由さ」である。

 まずは、なぜ「瞬間的な力と速さ」が生まれるのか、例を出して説明をしたい。
 デコピンという遊びがある。親指でストッパーを作り、人差し指を弾く動作だ。親指をストッパーとして使わず、人差し指だけで弾く動作をしてみると、力もスピードも全くないことがわかるだろう。親指が人差し指の動きを止めることで、人差し指の筋肉にバネの力がこもるのだ。
 これと、先ほどの身体の上下方向も理屈は同じだ。上から吊られているから、それを引きちぎって下に速く、強く落ちることができる。上から押さえつけられているから、それを突き破って速く、強く上がることができる。
・・・・
 下方向への力とは重力であり、上方向への力は身体の骨格構造と筋力によって生じている重力の反作用である。・・・・反対方向への力を身体に維持し、それを突き破るとき、強く速い力が生じるのだ

 抜粋引用が長くなってしまいましたが、なかなか奥が深い内容だと思いませんか?立禅(肩幅に足を開いて立ってボールを抱えるようなポーズをとるエクササイズ)の意識の説明で語られているものの、自分はランニングフォームに置き換えて読んでしまい、まさしく支持脚と遊脚の意識に思えてきました。支持脚の意識は重力で身体の真下に向かっていくべきで、遊脚は重力の反作用で足が尻下あたりに折りたたまれるべき、その位置エネルギーを持った脚が支持脚に切り替わる。理想的なランニングフォームにおける脚の運びを説明していると思いませんか?

いずれにしましても本書を実際に読んでいただいたほうが(引用部分は中略もしてあるので)わかりやすいです。効率的なランニングフォームを追求しているランナーには一読の価値があると思います!

 

重力を使う!立禅パワー: 最強のバランス力を生む、トライポッド・メソッド