ランニング フォーム 改善! 骨盤 肩甲骨 姿勢 習慣 など

ランニングフォームの改善に役立つ教本や関連本を紹介、フォームを進化させて走力を上げましょう!

ランニングフォーム教本 「アルティメットフォアフット走法」56歳のサブスリー!エイジシュートへの挑戦 みやすのんき 著

エリートランナーの定番勝負シューズとなっている「ピンクシューズ」の検証でフォアフット走法を考える!

 それにしても最近(2019年)ゲストランナーのいるメジャーなマラソン大会でも目を引いていますが、先日(2019年9月15日)のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)でも「ピンクのシューズ」がやたら目立ちますよね。
 ランナーであれば知れ渡っていると思いますが、ナイキの厚底シューズのズームシリーズの新作「ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%」で、なんとMGC開催日に発売開始という見事なマーケティング的タイミング!
 そしてそのナイキズームシリーズを履いて、構造を分析し、ランニングフォーム(フォアフット走法)を検証し、実際にレースで使用し記録を伸ばしたことが書かれた「アルティメットフォアフット走法 56歳のサブスリー! エイジシュートへの挑戦」が2019年9月10日の発売という、これも見事なタイミング⁈
 ここまでくると、エリートランナーではなくともナイキの厚底シューズを履いて走ってみたいと思いますね~。自分はまだ価格のこともあって買っていませんが、多分近い将来は手を出すとは思います(現在は薄底というか、ビブラムファイブフィンガーズにはまっているのであえて手を出さないようにしています)

 さて、待ちに待った みやすのんき先生の新作である本書のテーマは「フォアフット走法」! その検証の一つとして、またはきっかけとしてナイキの厚底シューズが登場します。もちろん宣伝ではないと思いますが、かなり詳しく検証されていて厚底に興味をもっていなかった自分でも、読んだ後にはショップでナイキズームシリーズを手に取ってしまうほどです!

 

 それにしても「サブスリー達成の体験本大転子ウォーキングランニングフォームの基本集トレイルランニング」ときて今回のテーマが「フォアフット走法」でエイジシュート(サブスリーランナーが自分の年齢より速くゴールすること、著者は56歳なので目標は2時間56分以内ということ)達成なんて、もう みやす氏は漫画家の先生というよりはランニング求道者ですよね。

 以下、ランニングフォーム(フォアフット走法)に関する部分のポイントを抜粋して紹介してみたいと思います(厚底シューズ検証は抜粋が長くなりすぎそうなので省きます)。

  本書が他の教本と違う一番のポイントは著者が学生時代からの陸上経験者ではなく、中年以降に身につけたランニングフォームが独自の視点や感覚で語られているところだと思います。その主観的な感覚の表現を色付き(青)にしてみました。

 

p57「地面に足裏を逆撫でするように着地する?」より

 私がやったのは逆向きに着地することでした。地面に対して逆撫でするように着地してみたのです。本来、シューズは踵から着地してつま先側に抜けますが、つま先から踵に抜けるように前から地面に擦るように着地していたのです。当然ツルツルの体育館の床で靴下を履いて小走りしていたので前にどんどん滑ってスライドします。着地衝撃がかなり減り、でも不思議に地面の反力をもらえている感覚がありました。

 本書の肝となるなるフォアフット走法に出会う運面の場面からの抜粋です。たまたま著者が雨の日にトレッドミルに向かうときに体育館の床を靴下で小走りしたときに感じ取った感覚から閃きます。
 普段の何気ない動作からも着地やランニングフォームの改善に向けてのヒントを得るなんて鋭い感覚ですよね。

p85「フォアフット走法になるための一番のコツは脛の前傾」より

 ケニア人ランナーは概して脛(すね)を前傾させたまま着地します。つまり足先を膝より前に出さないで着地します。そうすることにより地面の反力も強く受け取ることができるようになり、膝下は後ろに強く弾かれるようになります。・・・
 ・・・「着地にタメを作る」という表現がいいかもしれません。そうすることにより股関節を中心とした足の回転速度が結果的に低下しなくなります。足が接地してから離地するまでに膝関節と足首関節で一旦沈み込むようなクッション動作が減少し、ほぼ膝や足首の角度が変わらないようになるのです。・・・

 

p93「膝は水平に流れて曲がる角度はほぼ変わらぬまま離地!」より

 ・・・ケニア人ランナーの膝関節は深く曲がったまま着地して、そしてスーッと水平に流れて曲がる角度はほぼ変わらぬまま離地します。膝はずっと曲がったままです。むしろ感覚的には膝はどんどん曲がり続けていく感じです。つまり一旦沈み込んでから膝を伸ばすのではなく、膝はある程度深く曲げて着地して、さらに曲げていく。膝を上に伸ばすのではなく、斜め下に沈み込ませていく感覚でもいいです。
 なぜ膝が曲がり続けるのでしょうか。地面を蹴っておらず力が抜けているからです。膝から下はぶら下がってるだけ。膝から下は地面に置くだけ。お尻からは大きなパワーが地面に向かって出てますが、膝から先は力が抜けているので地面を蹴ることなく離地を迎えます。そして後ろに大きくハネ上がっていきます。力が抜けているから足は速く回ります。力が抜けているから前方に素早く戻されます。前に膝を運ぶ意識だけ持ち、後ろへは一切太腿を伸ばそうとしなくてよいのです。・・・

 

p113「重心バランスを崩して地面反力を有効利用せよ!」より

 さて胴体を素早く前に運ぶにはどうしたらいいものか。支点(=支持脚)が柔らかいとダメなのはわかりますよね。そして支点が面ではなく点、ピンポイントだとさらに速くしやすいです。それに加えて支点を柔道の足払いのようにつんのめらせるとされに勢いがつきます。つまりバランスを崩させるのです。
 ・・・効率のよいフォアフット走法は地面に前足部が引っ掛かり、重心んを動揺させて倒れ込む状態を微妙に作り出します。後ろから前に地面を逆撫でする感覚で着地するのです。地面にわざと逆向きに接地することで瞬間的に強いエネルギーを地面から受け取り利用します。・・・上体のバランスを微妙に前に崩して今まで踵着地の時に筋力で補っていた部分をテコの原理を使って水平の推進力に換えてあげるのです。

 

p117「着地は小指球から、そして母指球に倒れ込む」より

 ・・・小指球から母指球のラインを意識すると書きましたが、厳密には母指球ではありません。母指球にも重心ラインは掛かりますが正しくは小指球から母指球に体重が掛かる前に前方に重心が抜けていきます。おおよそ中指、人差し指側に抜けていく感じです。完全に母指球に荷重が掛かってから親指で離地するのでは遅すぎます。

 

 p123「エリウド・キプチョゲ選手やモハメド・ファラー選手ですら踵は接地している」より

 私はつま先や足首を固めてではなく自然に着地するようにしています。私の場合、踵は着かないように意識はしていませんが、踵は地面に対してうっすらとしか接していない感覚があります。大切なのは小指球 ― 母指球ラインから足指側に抜けること。ふくらはぎや足首に余計なテンションを掛けないこと。エリウド・キプチョゲ選手やモハメド・ファラー選手ですら踵は接地しています。
 ・・・
 フォアフット走法はつま先立ち走法ではありません。そして踵浮かせ走法でもありません。あくまで前足部から先に着地する走法だと理解ください。

 

p126「美味しいフォアフット着地の位置を探れ!」より

・・・地面に対して前スライドの感覚で接地しつつ、自分のレーススピードに近い領域でブリップするように調整して一番「パンッ」と後ろに膝下が弾かれる位置を探りましょう。
 一番美味しい位置が見つかるとあまり筋力で走る感覚がなくなり、バランスもよくなるので上体の腕振りも楽になり、呼吸にも余裕ができるようになるはずです。・・・

 

 p169「形だけのシザースになるな!」より

・・・あくまで意識は遊脚の大きな振り出しに重きをおくことが大切です。
 シザース動作がうまくできているランナーを見ると、両膝が交差する時にグンッとお互いが加速してすれ違います。つまり支持脚を遊脚の膝が追い抜いたところで終了するのではなく、そこから遊脚の膝が加速するのが正しい動き。なぜそうなるのかというと遊脚の膝が支持脚の前に出るタイミングで支持脚が地面に着地して地面の反力をバーンともらうからです。

 

 p171「足首ゴム紐繋ぎ走り」より

スタンフォード大学の面白い研究を紹介します。左右の足首をスプリングバネで結んで走ると大きくランニングエコノミーは向上します。・・・
 私は百円ショップのゴムチューブ+足首バンド(製作費200円)で代用して走っています。ゆっくり走ったとしてもピッチが上がり、確実に足を挟み込むシザース動作が速くなります。そして膝下を振り出して着地ができないので、自然に踵着地からフォアフット着地に修正されます。・・・
 ・・・さらに左右の足が縦に引っ張られるので自然に着地のラインが一本になります。まさに理想の走りに簡単に近づくことができます。

 ⇒このドリルはまだ実践はしていませんが、両足がゴムチューブで繋がれていると想像して走ってみるだけでも効果があると思います。 

 

 抜粋は以上になりますが、道具を使わない実践ドリルとして「トロッティング」というものがフォアフット走法に有効だと紹介されています。なるほど、動画をみてみると納得です。以下の動画は本書とは直接の関連はありませんが、参考に貼り付けます。

 ●2分半くらいの動画ですが、1分くらいのところで跳ねてしまっている人(NG例)との比較動画がとても参考になります。


たなー的長距離(ランナー)向け「トロッティング」【膝下の怪我を減らすために】

 

 ● 40秒くらいの動画ですが、スローモーション撮影されていてフォアフット着地となっているのがはっきりと確認できます。


トロッティング

 

 フォアフット走法を紹介しているランニング教本はいろいろとありますが、客観的な説明(前足部のここで接地するなど)のみで終わってしまっているのがほとんどです。本書のようにフォアフット走法に接するきっかけから着地の感覚やフォームの改良など詳しく主観的に説明したある教本は唯一だと思います。厚底シューズの検証も類を見ない詳しさです!
 超ビギナーを除いてすべてのランナーにおすすめのフォアフット走法のバイブルでしょう!

 

アルティメット フォアフット走法 56歳のサブスリー! エイジシュートへの挑戦