ランニング フォーム 改善! 骨盤 肩甲骨 姿勢 習慣 など

ランニングフォームの改善に役立つ教本や関連本を紹介、フォームを進化させて走力を上げましょう!

「BORN TO RUN 走るために生まれた ウルトラランナーvs人類最強の”走る民族”」クリストファー・マクドゥーガル 著

ウルトラマラソン、トレラン、ナチュラルランニングのバイブル…そこには引き込まれる独自の世界がありました!

 最近(2019年8月)ビブラムファイブフィンガーズ(VFF)という5本指に分かれているベアフットシューズを購入して履き始めて約1ヵ月、その感覚が癖になってきてクッションのある一般的なランニングシューズに違和感を感じるようになってきました。
 ベアフットシューズに手を出した前提として、夏は靴下を履かないほうが開放的で気持ちいいこともありワラーチを履いて走っていたことがあります。また今まで使用していた一般的なランニングシューズといっても好みがNEWTONやBROOKS、ONだったりであったことも影響しているかもです。でもVFFが癖になるとそれらのシューズのクッションにも違和感を感じてしまいます。
 VFFにハマってしまい、いろいろとネットで調べていたら2010年に出版された「BORN TO RUN」の影響で世界的に売れ始めたとのコメントが散見されました。本屋で手に取ったことはありましたが、ランニングのハウツー本ではなく読み物だったので購入することはなかったのですが、今回はナチュラルランニングのことを知りたく読んでみたら、どっぷりとその世界観にハマってしまいました!

 内容ですが、雑誌編集者・記者であり市民ランナーでもある著者が走りこむたびに故障に苦しでいるさなか、ふとしたことから伝説の走る民族タラウマラ族のことを知り、取材を試みることからナチュラルランニングやウルトラマラソンの世界にディープにはまっていくというのが主な流れです。読者も読み進めるうちにそのディープな世界にはまっていくのですが、ランナーであればVFFやワラーチに興味を抱くのは必然でしょう!

 32章からなる構成ですが、章のタイトルが無く、タイムラインが度々飛び(急に登場人物の生い立ちに飛んだりする)、急に場面やテーマが変わったりして読みにくいと思う人もいるでしょうが、そこも映画を観ているようでこの本の魅力となっています。
 物語の主な流れはタイトルの副題にもなっている「ウルトラランナーvs人類最強の”走る民族”」のレースとなる2006年コッパーキャニオン・ウルトラマラソンとその開催に至るまでの波乱に富んだ出来事やクセのある登場人物たちの紹介ですが、その他にランニングシューズの功罪の話や人類の進化に関しての研究の話もけっこうなボリュームで差し込まれます。

  特に読んでいて興味深かったのは、人類進化の過程でホモサピエンスが現代人の祖先として絶滅せずに(ホモサピエンスより屈強なネアンデルタール人は絶滅した)生き残った理由が長距離ランニング能力にあったとの推測と論拠です。ランナーであればこの章を読んだときに、なるほど自分がランニングにはまった理由の一つはDNAにも刷り込まれているからなのか…と思ってしまうことでしょう!タイトルの「BORN TO RUN=走るために生まれた」とは物語に登場するウルトラランナーたちのことを言っているのかと読む前は想像していましたが、「走るために生まれた」のは人類全員のことだったのですね!

 

 さて、本書は読み物でハウツー本ではありませんが、故障が多かった著者がウルトラマラソンを走れるようになる過程でのシーンがあり、ランニングフォーム改善の参考になります。

 ※カバーヨとは、著者と”走る民族”タラウマラ族をつなげるウルトラマラソンランナーです。

 カバーヨがこちらを向き、小走りにやってきた。「オーケー、レッスン1。私のすぐ後ろにつけるんだ」彼は今度はややゆっくり走りはじめ、私は彼がすることをそっくり真似してみた。腕をぶらんと上げて手をあばら骨の高さにし、小刻みにステップを踏む。背中は、脊椎のきしむ音が聞こえそうなくらいまっすぐに。
 「トレイルとけんかするんじゃない」カバーヨが肩越しに叫んだ。「トレイルが差し出すものを受け取るんだ。石と石の間を一歩でいくか二歩でいくか迷ったら、三歩でいけ」長年にわたってトレイルを走ってきたカバーヨは、踏みしめる石にニックネームをつけるまでになっている。・・・
 「レッスン2」カバーヨが叫んだ。「楽に、軽く、スムーズに、速く、と考えるんだ。まずは”楽に”から。それだけ身につければ、まあ何とかなる。つぎに、”軽く”に取り組む。軽々と走れるように、丘の高さとか、目的地の遠さとかは気にしないことだ。それをしばらく練習して、練習していることを忘れるくらいになったら、今度は、”スムーーーズ”だ。最後の項目については心配しなくていいーその三つがそろえば、きっと速くなる」

 「腕をぶらんと上げる」という表現は妙に聞こえますが、力まないで姿勢を良くするランニングフォームのコツだと思いました。 

 

 ・・・男は私の腰にロープをしっかりと巻きつけた。「はじめ!」男が叫んだ。
 私はロープに逆らって前かがみになり、脚を激しく動かして男を引きずった。男がロープを放すと、私は前に飛び出した。「よし」と男は言った。「走るときはいつも、このロープを引っぱる感覚を思い出すんだ。そうすれば足はつねに身体の真下にあって、腰はまっすぐ前方に向かい、踵の出る幕はなくなる

  ランニング教室でもコーチが長めの布で上記のようなドリルをやってもらったことがあります。もしかしてこの場面から誕生したドリルなのか?

 

・・・疼きを感じるたびに、私はひととおり自己診断をした。
 背筋は伸びているか? チェック。
 膝を曲げて前に出しているか? チェック
 踵を後ろに振り払っているか? ……問題はそこだ。こんなふうにして調節をすませると、痛みはかならずやわらぎ、消えていった。

  ランニングフォームって一定の距離を走って疲労してくると崩れてくるものですよね(自分のような一般市民ランナーの場合ですが)。なのでしんどくなってきて姿勢が崩れ始めたくらいに重要ポイントはチェックする必要があるのですね!

 

 最後ににランナーであれば考えさせられる深いお言葉を抜粋します。さすがウルトラマラソンやナチュラルランニングのバイブルと呼ばれるだけあります、魅力的な登場人物が何人も紹介されます!

 

ジェン(本のメインレースを走る若手女性トレイルランナー)のコメント 

「長い距離を走っていると」と彼女はつづけた。「人生で大切なのは、最後まで走りきることだけって気がしてくる。そのときだけは、わたしの頭もずっとこんがらがったりとかしていない。なにもかも静まりかえって、あるのは純粋な流れだけになるわたしと動作とその動きだけ。それがわたしが愛するものーただ野蛮人になって、森を走ることがね」

 

96歳でも過酷なディップシー・トレイルレースに出場していたジャック・カークー通称”ディップシーの鬼”のコメント

「人は年をとるから走るのをやめるのではない」・・・「走るのをやめるから年をとるのだ

 

  ちなみにマシュー・マコノヒー主演で映画化されるという書き込みが2013~2015年にあったようですが、まだ公開されていませんよね? 制作中止にたったのかなぁ(´;ω;`)

 

  

BORN TO RUN 走るために生まれた ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族"