ランニング フォーム 改善! 骨盤 肩甲骨 姿勢 習慣 など

ランニングフォームの改善に役立つ教本や関連本を紹介、フォームを進化させて走力を上げましょう!

ランニングフォーム教本:「最速で身につく最新ミッドフットランメソッド」 高岡尚司 金城みどり 共著

ミッドフット走法を、体幹を活性化して、足裏の荷重を理解して身につけよう!

  どうしても「ミッドフットラン」とか「フォアフット着地」とかのキーワードに目がとまってしまう人は多いのではないでしょうか。何だか身につけると速く走れるようになる秘伝のような響きがあります。
 本書のまえがきにもありますが、ドラマ「陸王」で故障した主人公が身につけて復活するなかで足袋式のシューズと共に紹介された走法、「足の中腹部で着地する人間本来の走り=ミッドフット走法」であり、ドラマを見ていた人は特に注目してしまうと思います。

 確かに体の前方で踵から着地するようなブレーキのかかる走り方をしている人には「足裏」全体での着地を意識させることでフォームが改善されると思います。しかしあまりに末端意識(手足の先のほうへの意識)にとらわれすぎると姿勢が崩れたり、力みが発生してしまう要因にもなりえます。やはり骨盤や肩甲骨の向きや腸腰筋などのインナーマッスルといった体幹を意識して、その人の適正なフォームや姿勢で走れた結果としてミッドフット着地となっているのが理想でしょう。

 本書は、そのような体幹を意識したフォームを手に入れるヒントが満載のランニング教本となっています! ランニングフォーム改善のためのバイブルの一つと言ってもいいと思います。なので、タイトルから着地に囚われ過ぎて「秘伝のミッドフット着地を身につける教本」というイメージで読み進めるよりも、「理想の着地離地を引き出すランニングフォーム改善の教本」と捉えて読み進めるのが正解だと思います。

  構成としては序章の6つのトピックで全体像をイラストと共に解説し、本章(1~4章)の30のステップでフォーム改善のヒントとエクササイズが、両著者がモデルとなっての写真でわかりやすく解説してあります。それぞれのトピックやステップはすべて見開きの2ページで完結しておりとても読みやすい構成です。

 

序章 02:ケガがなくなる走り方 ミッドフット走法

 その(ケガの)原因は、接地だけにフォーカスしすぎるあまり、足首に力が入り胴体の使い方が伴わず、重心移動がスムーズにできていないことにあります。
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 正しいミッドフット走法は、中足部全体で接地した後、重心を踵から拇指球へと移動させていきます。つま先と踵はブレーキとアクセルの役割を担い、踵を離地の際に、地面に向かって踏み込むことで、重心移動にアクセルがかかります。それによって、無駄な筋肉を使わずに走ることができるのです。

  この序章にある荷重移動を実現させるためのフォーム改善ミッドフット走法の肝だと思います。どこで接地するかに意識を持つよりも接地した後の荷重移動が重要だということです。そしてその荷重移動を実現させるためのフォーム改善が本章の30から成るステップで解説されます。以下、その一部のステップのポイントを抜粋し紹介します。

 

01:まずは着地時の小指をチェック

小指がバランス感覚の肝。 小指をしっかりと地面に押しつけることで、足裏全体への重心移動がスムーズになる。

  足の小指の感覚って普段意識していなかったです。着地する位置がどこかとか意識する前にアウトエッジの感覚を覚醒せよということですね。

 

03:地面を蹴らずに前へ進む

つま先で地面を蹴るのは筋肉の無駄使い。踵を支点にして、地面を蹴らずに進む感覚をつかむ。

  楽に長く走るためにやってはいけないことのトップは「つま先で地面を蹴る」ことですよね。ふくらはぎは鍛えられるかもしれませんが、長距離には向いていないです、数キロ走ったらふくらはぎがつってしまうでしょう。
 今まで地面を蹴って前に進むイメージのあった人は上にある通り、踵を支点にして上体を前に持っていく、という感覚を身につけることが何よりもミッドフット走法を身につけるには優先事項となります。

 

04:コシを入れて重心を安定させる

「コシを入れる」とは、腸骨を立てて、仙骨を前に押し出すこと。力を入れすぎずリラックスした状態で、重心を安定させる。

  他のランニング教本でよく「骨盤を前傾させる」と同じことを言っていると思いますが、より具体的で分かりやすい表現だと思います。「骨盤を開く」というイメージでもいいと思います。

 

10:胴体を台形に使う

胴体の基盤は台形の動き。左右の体側の長さが大きいほど、手足の筋肉の無駄使いは解消する。体側を伸ばす感覚を、背骨を伸ばす感覚につなげる。

  この動作は、本書にある「台形の動きをつくりだすエクササイズ」の四つん這いになってのハイハイを実践してみるとわかりやすいです。自分としては肋骨がバネのように伸縮すると意識すると体幹の台形を活用した動作がしやすいです。

 

12:胴体を回転させる

胴体を「回転させる」とは、胴体の台形を維持したまま、脚でそけい部を挟み込むようにして、胴体を前に押し出す動きのことです。このとき、股関節の外旋をキープすることで、前方への推進力を生み出すことができます。

  この「回転させる」という感覚をつかむのは意外とむずかしいです。本書では「胴体を『ひねる』のではなく、『回転させる』」との表現がありますが、「回転」といってもくるくる回るわけではないので(どこかで切り返すので)「ひねる」ように見えてしまいます。
 確認すべきポイントは、骨盤の向き(右脚が上がっていれば、骨盤は右側が前なので左側を向いていることになります)と肩のラインが同じ向きとなっていることです。骨盤と肩のラインが同じ方向を向いていれば体幹はひねられていません。イコール「胴体を回転させる」ことができています。
 そして「脚でそけい部を挟み込む」という主観で胴体を回転させていくと体幹を使ったランニングフォームと自然になることでしょう。
 ところで「そけい部」ってわかりますか? 自分はモヤモヤして調べなおしてしまいました。腿と胴体の境目の部分です、そう、「コマネチ!」のラインです…。
  

17:膝の屈曲感覚を身につける

 を伸ばしすぎると、つま先で地面を蹴る動きとなります。また、踵がすぐに浮いてしまうと、筋肉の無駄使いにつながります。
 膝を抜く感覚をより実感するためには、階段を下りるときの、自然と膝が曲がっている状態がわかりやすいです。

  膝がピンと伸びすぎているということは、大腿四頭筋(前腿)が力んでいる可能性が大ですよね。そこで「膝を抜く」という感覚表現が登場するのですが、やはりこれも頭では理解できても、どうしても体が勝手に反応してしまい無意識に前腿が緊張してしまうことがあります。そこで脚をリラックスさせて「階段を下りる」感覚で平地を走ると力みが入らずに、この膝を抜く感覚を身につけるヒントになると思います。

 

26:上と下のコシを前へ押し出す

股関節の外旋運動と、上下のコシを前に押し出す動きのタイミングを合わせることで、切り替わりのパワーが最大級になります。

  04であったように下のコシは「腸骨を立てて、仙骨を前に押し出す」ことでした。上のコシは、同様に考えると「肩甲骨を立てて、胸椎を前に押し出す」ということでしょう。
 相対的に考えると、腸骨や肩甲骨を後方にずらすとも言えそうです。いずれにしても「コシ」とは腸骨や肩甲骨を立てて、左右それぞれを動かしやすくする主観感覚といえます。
 それにしても股関節の外旋運動とコシを前に出すタイミングをはかるって四肢を除いた体幹ランニングそのものですね。
 

 27:体と足裏の軸を意識する

じつは足裏にも軸があります。足裏の軸は、親指と人差し指の間から踵の中心までのライン。この軸に、つねに体重が乗っている状態が理想的です。体の動きに伴って軸の外側と内側を重心が移動していくイメージで動かしていきましょう。

・・・足裏の軸と地面ができるだけ平行になるよう着地することを再確認してください。

  末端意識(四肢の先端をどう動かすかの意識)は、力みを発する原因となるのであまり意識しすぎるのはよくないのですが、このライン(軸)があることは意識しても力みが発生しなそうです。
 そもそも「ミッドフット着地」での着地部分や荷重移動、離地を意識するのはウォーキングなどの比較的緩やかな動作の中に留めるべきでしょう。ランニング中に意識すると接地時間を長くして体を沈み込ませて余分な筋力を使わせてしまうかもしれません。
 ので、ランニング中の末端意識は、このライン(軸)を意識するくらいしかできないと思います。

 

 ここまで、6つある序章のトピックから1つ、本章の30あるステップから8つ、の一部を抜粋して紹介してみましたが、他のランニング教本にはないようなランニングフォーム改善のヒントが満載だと思いませんか?
 特にステップ04「コシを入れて重心を安定させる」の「コシ」という概念とステップ12「胴体を回転させる」の「脚でそけい部を挟み込む」という主観はランニングフォーム改善にとっても有効ですね!

 

最速で身につく 最新ミッドフットランメソッド