ランニング フォーム 改善! 股関節と肩甲骨を動かそう!

ランニングフォームの改善に役立つ教本や関連本を紹介、フォームを進化させて走力を上げましょう!

ランナーに役立つ教養本 「ぼくたちは習慣で、できている」 佐々木 典士 その1

ランニングフォームは習慣で、できている!

 前回の記事で、ランニングフォーム改善には普段からの姿勢座り方を改善し、それを習慣にすることが必要だとコメントしました。そんなタイミングで「習慣が大事なんだ」と思っているときに、否が応でも目に入ってくる本書に出合いました。

 もちろん本書はランニング教本ではありませんが、かなりランナーに参考になる内容や例が満載です。それもそのはず、著者の身につけた習慣の一つはランニングであり、37歳からマラソンを始めたと著者紹介欄にあります。

 マラソンランナーと自負する人はすでにランニングが習慣になっていることでしょう。そういう人にも興味深く読める本書ですが、これからランニングを始めようとしている人、将来的にマラソンに挑戦したいと思っている人(しかし練習があまりできていない人)、サブフォーを目指してよりランニングの習慣を強化したい人などのランニング初中級者にとっては大変参考になるランニングの精神的な教本といっていい内容です!

 

 

「1章 意志力は、生まれつき決まってる?」からの抜粋です。

 良い習慣を身につけられるという人は周りから「意志が強い」、逆に悪い習慣をやめられない場合は「意志が弱い」と呼ばれたりする。そこで著者はまず意志について考察していきます。

人には目の前の報酬ほど大きく感じ、将来にある報酬や罰則は少なく見積もってしまうという「双極割引(そうきょくわりびき)」という性質がある。だから、好ましい習慣を身につけるのが難しい。

 一般的に良い習慣と呼ばれるもの=勉強やランニングなどと、悪い習慣と呼ばれるもの=暴飲暴食、酒たばこは報酬と罰則のやってくるタイミングが違いますよね。
 勉強やランニングの報酬とは、例えば習慣化した結果、数年~数十年先に資格を取る、レースで結果を出すなどが報酬となります。罰則は、さぼったことへの自己嫌悪感とします。自分でやろうと決めていたとすれば、さぼったすぐ直後に感じることでよね。
 一方、暴飲暴食や酒たばこの報酬は、実行したすぐ直後にくる欲求に対する満足感やストレス発散でしょう。罰則は数年~数十年先に身体や内臓にあらわれる不調やメタボ、糖尿病といったところでしょうか。
 そうです、良い習慣と悪い習慣の報酬と罰則はタイミングが逆なのですね。それで上記のような「双極割引」という性質が人には備わってしまって、意識していないと自然と悪い習慣と呼ばれるものに染まってしまうんですね。恐ろしいです!

 

 

「マシュマロ・テスト」
 このテストは1960年代にスタンフォード大学のビング保育園で4~5歳の子どもを対象に行われた。まずマシュマロ、クッキー、プレッツェルなどお菓子の中から子どもたち自身にいちばん食べたいものを選ばせる。そのお菓子(ここではマシュマロを代表として挙げる)を園児が座るテーブルの上に1つ置く。そして園児たちに次の選択肢から選ばせた。・・・

A:目の前のマシュマロ1個をすぐに食べる。

B:マシュマロ1個を食べずに、研究者が戻るまでの最長20分間、1人で待てればマシュマロが2個もらえる。

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 テストで待てた時間は平均6分で、3分の2の園児が待てずに目の前にある1個のマシュマロを食べてしまった。残りの3分の1は待つことができ、2個のマシュマロを手にすることができた。

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 この実験がおもしろいのはここからだ。マシュマロ・テストを受けた園児たちを、長年にわたって追跡調査した結果、驚くべきことがわかった。園児のときに待てた秒数が長いほど、SAT(日本でいうセンター試験)の点数がよかった。15分待つことができた子どもは、30秒で脱落した子どもたちに比べ、SATの成績が210点も高かったという。

 マシュマロを待てた子どもは、仲間や教師から好かれ、より高い給料の職業についた。・・・

 

  よく考えてみると恐ろしい実験です。その実験の結果を成人になって知らされた被験者はマシュマロを見るとトラウマに陥るのではないでしょうか。
 まぁ、それは置いといて、自制できる子はその後もその性質で悪い習慣を抑え良い習慣を実践する率が高いということでしょう。

 自分はどっちなのか、やはり我慢できなかったほうの口だな、と落ちこみそうですが、安心してください! 本書では後天的にも身につけられるものだとして、そのコツを説明しています。

 

人の脳には理性的なクールシステムと、感情的なホットシステムがあり、相互作用している。

 

クールシステムの「認知力」でマシュマロを雲だと思うなど、目の前のできごとを違った風に見ると、ホットシステムが抑えられる。

 

 マシュマロを我慢できた子どもは幼児のときから超クールだったんですね。
 でも大人にとっても役に立つ知識だと思います。ストレスになりそうなことをクールシステムの認知力を活用して違った風に見るとか。例えば、がみがみ怒鳴っている誰かさんを動物の鳴き声に置き換えてみるとか…
 今現在目の前で起きていることや在るものの認知力って大切ですね。反射的にホットシステムが反応しても、クールシステムを稼働させて客観的に認知することを習慣にすると良さそうです。

 

習慣=ほとんど考えずにする行動

 マシュマロに誘惑されるということは、その度にコイントスをしているようなものだと思う。投げるコインの表には「マシュマロを食べずに待つ」、裏には「マシュマロを食べてしまう」と書かれてある。運がよければ何度かは待てるだろう。しかしコイントスをする回数が多ければ多いほど、いつかは自分も望んでもいない行為をしてしまうことになる。
 マシュマロを待てなかったのは、意志力が弱かったからではない。単にコインを投げる回数が多かったせいだ。すると対策は、コインを投げない=意識を呼び出さないことになる。
 意識というのは呼び出されている時点で、「悩むべき問題」が目の前にあるということだ。

・・・

 意識を呼び出さず、「ほとんど考えずにする行動」。ぼくはこれが習慣だと思っている。ではそのあれこれ悩む時に呼び出される「意識」とは何なのか?

 どうやったら人は意識を使わずに行動し、習慣にすることができるようになっていくのか?続く2章で詳しく検証してみよう。

  第1章で「意識」について考察しながら本丸の「習慣」の定義が出てきました!
 「ほとんど考えずにする行動」=習慣。
 はたから見て「意思が強い」とか「自制ができる」人は、自然とコイントスの回数を減らす思考回路、神経回路を持っているという仮説。なるほど、誘惑は回数が多ければ多いほど心が楽なほうに傾いてしまう、欲に負けてしまうのが人間の性ですよね。
 そのコイントスを減らすコツ、またはコイントス自体を変化させるコツが第2章で展開されます。

 本書は中身が濃く、引用も多くなるので章ごとに記事を分けます。
 もちろん、詳細が知りたい方はコイントスをせずに本書を手に入れてください。特にこれからランニングを始めたい人、走りはじめたものの続かない人には大変参考になります!

 

ぼくたちは習慣で、できている。