ランニング フォーム 改善! 股関節と肩甲骨を動かそう!

ランニングフォームの改善に役立つ教本や関連本を紹介、フォームを進化させて走力を上げましょう!

健康法教本 「背骨から自律神経を整える」 石垣英俊 著

普段から胸郭を意識して、ランニングフォーム改善に役立てる!

 前回の記事では「自律神経」を、主に精神面から調整することをとりあげた教本を紹介しましたが、今回はタイトルにある通り「背骨」から自律神経を整えることを学ぶ健康法教本です。
 本書のスタンスは第1章の見出しにもなっていますが、背骨が固まると背骨を通っている自律神経も影響されて不調になるので、背骨をねじったりしてほぐしてそれを防ごうという内容です。
 興味深いのは背骨の中でも胸椎(きょうつい)に着目して、その周りの肋骨(ろっこつ)や胸骨を含んだ胸郭(きょうかく)全体を動かしたりして自律神経を整えようとすることです。背骨=脊椎は上から頚椎・胸椎・腰椎と区分けられますが、そのセンターの胸椎が整えば自然とその上下の頚椎と腰椎は整いやすいということです。

 

 これまでランニングフォーム改善で主に意識してきたのは骨盤(股関節・仙骨)や肩甲骨ですが、逆に胸郭に意識を向け整えることで、骨盤や肩甲骨の力みがとれて動きやすくなる気がしてきました。そもそも骨盤と肩甲骨の2か所に意識を向けるより、胸郭に意識を向けるほうが楽です。楽に身体を動かすことを優先します。

f:id:Tomo-Cruise:20181107054223p:plain

 その意識で胸郭を意識してやや前傾気味にして、なおかつ猫背にならないようにするにはお腹を少し出して(張って)歩いたり走ったりしてみたところ、いい感じでした。
 よくランニング教本で骨盤の前傾や身体の前傾を勧めていますが、胸郭の前傾から意識して骨盤や身体のラインを合わせていくほうが「前傾」が腑に落ちるように思います。立体的な前傾感覚とともに重心も高くなるようです。

 


 話が脱線してしまいましたが、胸郭の重要性を気づかせてくれた本書に感謝です。それでは章ごとのポイントを抜粋し紹介します。 

 

第1章 背骨の老化が、自律神経などの不調につながる からの抜粋です。

 

 ・・・内臓の状態を自律神経が感知して背骨を通ってに伝えると、脳が「いつもと違う状態」ととらえ、その内臓に関わりのある皮膚や筋肉に指令を出します。警戒注意報発令、といったところですね。すると皮膚は過敏になったり、筋肉は緊張体制になります。その緊張状態が長く続けば何かの拍子に容易に傷めることになり、背中に痛みを感じるようになったりするのです。・・・

 そして反対に、たとえ内臓に問題がなくても、背骨や筋肉に問題が起きると、次第に内臓のはたらきが弱ってきます。つながっている神経が同じなので、お互いに影響し合う関係なのです。そのいい例が、私たちが普段行っている針やマッサージといって施術アプローチです。皮膚や筋肉、骨格にアプローチすることで、内臓のはたらきが改善することは珍しいことではありません。背骨や筋肉がいい状態になれば、体の動きだけでなく、内臓がはたらくスペースも確保され、快適なはたらきが約束されるでしょう。

  これらの反応を専門用語で「内臓体性反射」、「体性内臓反射」と呼ぶとあります。普段あまり耳にしない言葉ですが、実際はよく起きている症状ではないのでしょうか。
 肩や腰の筋肉が固まってこっているのは、姿勢や過度の緊張からなのか、関連する内臓からの「警戒注意報」なのか、またはその両方からなのか。いずれにしてもそのままにしておくのは危険ということなのでしょう。
 いままでの健康法教本にも出てきたとおり、姿勢を意識することにより内臓のスペースを確保したり、無駄に筋肉の緊張を強いることを避けるのは根本的な原因療法といえますよね。マッサージや指圧は、一時的にはこりがほぐれて症状は改善されるものの姿勢が悪ければすぐに元通りになってしまうので対処療法となってしまいます。

 

 背骨の上下の椎骨の間を、自律神経が出入りしています。
 そのうち副交感神経は、頭と頚椎の上部からと仙骨からの二か所のみです。背中のほとんどにあたる胸椎から腰椎の上のほうにかけては、交感神経が出入りし、頚椎から仙骨のすぐ前を連なるように中継所である交感神経幹(=交感神経節)が張り巡らされています。
 胸椎には、心臓、肺、肝臓、胃などのはたらきに関わる交感神経が主に分布しています。胸椎の周りの筋肉が緊張したり凝り固まってくると自立神経に影響し、内臓のはたらきにも支障が出ることがあります。呼吸が乱れたり、食欲がなくなったりするのです。

  胸椎の周りのこり、いわゆる背中のこりは要注意ですね。

 私は胸郭が固い方には、腹式呼吸と胸式呼吸の両方を行う「連続呼吸」を勧めています。腹式呼吸で心身をリラックスさせ、次に深い胸式呼吸で肋骨を広げると、横隔膜と胸郭全体が動き、交感神経と副交感神経のバランスが整うからです。
 深い呼吸は、背骨や肋骨まわりの筋肉を大きく動かします。呼吸に使われる横隔膜、肋間筋などの筋肉は、肋骨や背骨に付着しているので、呼吸に合わせて胸郭が大きく動くことになるのです。

  こりを避けるには動かすことが基本となります。そして胸郭を動かす基本動作が深呼吸、上記の「連続呼吸」ということです。腹式呼吸では横隔膜を上下させての連動で胸郭も上下に動き、胸式呼吸では肺を前後に膨らますことによって胸郭も前後に動き、立体的に胸郭を動かすことで胸郭周りのこりを防ぐことができるのですね。

 

  いつも忙し過ぎたり、気が張っていたり、常に緊張しているような人は、習慣的に深い呼吸ができなくなっています。しかし自分で意識して深い呼吸をすることで、体にかかっている負担を減らすことができます。深い呼吸をすることで自律神経にはたらきかけ、内臓の調子も整えることが期待できるのです。

 無意識に呼吸が浅くなっている、または呼吸を止めていると聞いて、すぐに連想するのは睡眠時無呼吸症候群でしょう。とくに「いびき」がひどい人は呼吸が浅くなっている証拠で無呼吸症候群になりやすく要注意らしいです。また、いびきをかくのは口呼吸をしてる証拠だそうです。
 走っているときも呼吸が浅くなっているな、と思うときがあります。そのようなときは意識的に深く息を吐いて鼻から息をすって腹式呼吸をしてみます。やはり呼吸が浅くなっているときは口呼吸だけになっている場合が多いようです。
 仕事中でも、ランニング中でも、呼吸が浅くなっているときは自覚症状がないことも多いので、時間を決めて、例えば仕事中であれば30分や1時間ごと、ランニング中であれば1キロごとに、胸郭を意識して深呼吸したり、思い切り息を吐いて腹式呼吸をしてみるなどがカラダに良さそうです!  

 

 

第2章 背骨と自律神経をメンテナンスするエクササイズ

 この章ではセルフチェックで自分の今の状態を確かめ、そして背骨周りの固さをほぐすエクササイズが7つ紹介されています。詳しくは本書を読んでください。ここでは著者が「本書のエクササイズの肝」と本書内でも言っているエクササイズだけフィギュアも使って紹介します。

背骨ねじり=ウォール・ツイスト

 背骨の、主に胸椎をねじるストレッチです。ウォールは壁の意味。日頃の生活であまり体をねじることはありませんが、壁を使うと無理なくでき、背骨の老化を防ぐイチオシの方法です。

f:id:Tomo-Cruise:20181105060624j:plain

① 壁を背にし、20~30㎝離れて立ち、両足を腰幅に開きます。右足を壁と平行にし、左足は斜め45度内側に向け、両手を胸の前で広げます。

 

f:id:Tomo-Cruise:20181105060631j:plain

②この状態で上体を右側にねじり、両手を壁にタッチ。くびも右回りに向けるところまでまわします。

 

f:id:Tomo-Cruise:20181105060650j:plain

③ 次に顔を左に戻します。

 

f:id:Tomo-Cruise:20181105060701j:plain

④ 頭と壁を並行にして上体を壁のほうに倒していきます。ここで壁に体重をかけたまま、自然な呼吸を3~5回。反対側もやっていきましょう。

f:id:Tomo-Cruise:20181105060743j:plain

④のポーズを前上方向から見た感じです。

 

 左右二セットずつを目安にしてください。

 椅子に座っているバージョンは、背もたれを両手でつかんで、ヘソはできるだけ前に向けたまま腰をねじらないでカラダをねじるとあります。
 仕事中はイスに座ったままできるので手軽ですが、できるだけ立って、トイレに行くなどして上記のウォールツイストを行った方が気分転換にもなりオススメです。 けっこう効いてる(胸郭が整う)感じがします。

 

 

 

 さらに、肩甲骨の内側あたりは、骨盤の仙腸関節という部分と相関関係があると私は考えています。つまり、上半身の仙腸関節にあたる役割が肩甲骨の内側です。そこには中国医学における重要なツボもあり、この部分に問題があると下肢への影響もあらわれることがあります。また、反対に肩甲骨周辺を整えることで、下肢の痛みが改善されることもあるのです。そのほかにも、肩甲骨の内側のポイントはさまざまな症状との関わりがあるところです。

  出ました!ランナーにとって重要な仙腸関節!
 なるほど、上記のような相関関係があるとすると、ランニングフォームでいうところの「骨盤と肩甲骨を連動させる」とは、より厳密には「仙腸関節と肩甲骨の内側を連動させる」ことなのかもしれません。
 ランニングをするときに胸郭の安定(ポジショニング)を意識して骨盤や肩甲骨をリラックスさせると、その根元にあたる仙腸関節と肩甲骨の内側が連動するような気がします!

 

第3章 いま体に起きていることは、あらゆることが関係している

 

 つまり、体に起きている現象はすべてがつながっているので、単純にいうと次のような作用が同時に進むと考えていいでしょう。

 

胸郭や背骨を動かすと、呼吸が楽になり、内臓のはたらきもよくなる。

体に十分酸素が巡り、血液循環が促されるとともに栄養も行き渡る。

自律神経が自然と整い、ホルモンの分泌も促されて、体調がよくなる。

メンタル面が安定し、顔の表情や肌の調子がよくなる。

 なんだか、この流れを読んでいると英語のことわざですが、"A sound mind in a sound body"=「健全な魂は健全な体に宿る」を連想してしまいました。このことわざは本来は和訳のような意味ではなかったようなのですが、背骨と自律神経の関係を言い得て妙なフレーズです。  
 

 深い呼吸によって、胸郭は正しく動きます。この日常的な本来の自律神経のリズムを取り戻すことが、じつはとても大切なことなのです。胸郭が固まった状態では深い呼吸ができません。背骨はもちろんのこと、肋骨を適切に動かすことが重要なのです。
 さらに深い呼吸によって、固まりがちな胸郭周辺の筋肉の緊張を取ると、関節が本来の動きや、感覚を取り戻します。
 そうすると、筋肉の緊張度が低下するのです。つまりガチガチになっていた体がほぐれます。心と体はつながっているので、体がほぐれれば心もリラックスしてほぐれ、緊張も解けるわけです。

  簡単なストレッチと深呼吸を日常に取り入れるだけで自律神経が整うなんて、またその仕組みってそんなに知られていませんよね。本当に日常の習慣が大事なんだと思い知らされました。
 ランニングフォームも走る時にフォームを意識しても中々改善できないものですが、普段の姿勢や座り方、歩き方などを意識して改善し、習慣化していくことによってフォームにも反映されてくるものだと思います。

 

 最終章(第4章)では、中医学についての解説となります。五臓六腑や経絡についての説明などです。そして中医学の観点からも「習慣的に体をねじる、脇をのばす、呼吸を大切にする」といったことが日常生活でのポイントになるといいます。

 詳しく知りたい人は、もちろん本書をご覧ください!

 ランニングに直接関係のある内容ではありませんが、本書を読んで、エクササイズを実践していくことによって、ランニングフォーム改善に効いてくると思います!

  

背骨から自律神経を整える ねじるだけで体と心が変わっていく!