ランニングは体液の循環も良くすることを知ろう!
(※本書には最新版がありました。最後に紹介しますので、購入したりする場合は、そちらをお勧めします。)
健康本コーナーでタイトルが気になって手にとってしまいました。ランニングフォーム改善には直接関係はありませんが、読んでみると、ところどころにランニングのモチベーションアップに関連する内容が見て取れましたので紹介したいと思います。
まずタイトルにある「3つの体液」ですが、何かわかりますか?すぐに思い浮かぶのは「血液」だと思います。自分の場合はあとは「唾液?汗?尿?」くらいのレベルでした・・・↓「はじめに」からの抜粋です。
身体の中にある水を「体液」といいます。
体表的な体液として思い浮かぶのは「血液」や「リンパ液」でしょう。
実はこの他にとても重要な「脳脊髄液(のうせきずいえき)」という体液が存在します。
この3つの体液の循環を良くすると、身体は自然治癒力が増し、疲れ知らずの健康な身体を手に入れることができるのです。
第1章『「体液」を知るだけで健康になる』は、その体液についての説明です。
人間の身体の約7割は水分(体液)とのこと。その体液には唾液や涙、鼻水なども含まれるらしいですが、本書では流れをよくすると自然治癒力が増すという重要な体液として血液・リンパ液・脳脊髄液の3つを挙げています。
血液以外はあまりよく知らないですよね。マッサージに行ったときに「リンパ」って耳にしたような...くらいです。
虫さされがかゆくて患部をかきむしると最初は血が出ますが、そのうち無色透明の液体が出てきます。あれがリンパ液です。
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リンパ液の役目は主に老廃物を運ぶことです。
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リンパ管では血管に回収しきれなかった大きなゴミを運搬しています。また、カラダにとって有害な細菌やウイルスなどの物質をリンパ管の途中にあるリンパ節でろ過し、有害物からカラダを守っています。・・・
リンパ節は全身で800ヵ所以上あるといわれ、中でも鎖骨の上首、脇の下、足の付け根、ひざの裏には大きいリンパ節があります。
・・・ここで問題となるのは、リンパ液には、血液にとっての心臓のような「ポンプ」がないということです。
ポンプがないので、リンパ液は、ゆっくり一定方向に流れています。
身体を動かしたり、マッサージをしたり、深呼吸することで、リンパ液を積極的に流すことも可能です。
リンパ液の流れを促進させるには、上記にあるように「身体を動かす」ことがその一つ...さらにそのポイントとなる場所がリンパ節...そこが上記にある鎖骨、脇、足の付け根=股関節、膝の裏 というのは...ズバリ、ランニングやウォーキングでポイントとなる箇所ではないですか!
ということは、ランニングやウォーキングを実践することは、イコール、リンパを流すことにつながるのですね。そしてリンパを流すことによって有害物質からカラダを守ることになるので、病気にかかりにくくなるのですね!ランナーが風邪などをひきにくい理由が理論的に分かりました。
脳脊髄液とは、頭蓋骨と脊柱(=背骨)の中にあって、脳と脊髄を守る液体なんです。
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疲れた状態が続いている、気力がない、やる気が出ない、いつもだるい、体が重い、こうしたときは、脳脊髄液の生産と循環がうまくいっていないことが多いのです。
疲れるとついついダラーンと頭を垂らし背骨が丸まってしまいますが、この脳脊髄液を流すには良くないのですね~。姿勢を正すことや背骨を動かすことが重要なのは、この脳脊髄液を循環させることにつながるのですね!
第2章『カラダは「液体」でつながっている』では、体液循環の要になる部分を指摘して、その箇所を動かし流れを促すことを勧めています。
その箇所とは、
・骨盤、股関節
・肩甲上腕関節(脇の下)=肩甲骨と上腕骨のつながるところ
・足首
・ふくらはぎ
ここはリンパ節の重要箇所と重複するところですが、やはりランニングでストレッチする箇所とも重複します。本書では体液循環を促すためにその箇所をストレッチすることをすすめていますが、ランナーであれば上記の箇所をあたりまえのようにストレッチしたり動かしたりするでしょう。
そして第3章『カラダの「よどみ」がみるみる流れるエクササイズ』でリンパと脳脊髄液の流れを良くするストレッチや簡単なエクササイズが紹介されています。
リンパを流すコツ!▶脚を30度外に広げる
1.あおむけに寝ます。
2.左脚を正中線から30度開きましょう。
3.その位置で左ひざを直角に立てます。
4.左手で補助して左ひざを右へパタンと脱力して倒します。
5.左ひざを左へパタンと脱力して倒します。
6.4~5を10回繰り返し、もとに戻ります。気持ちよいスピードで行ってください。右脚も同様に行います。
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この30°という角度は参考になりました。上記のストレッチ以外でもこの角度を意識することによって股関節の可動域を拡げていきましょう!
脇の下と鎖骨の同時ストレッチでリンパを流す
腕を上手に動かすことで、この「一石二鳥のリンパ流し」ができます。
・肩と肘を水平にし、肘から先だけを身体と平行に足方向、頭方向にゆっくり動かす。
これを朝晩行うと、首・肩がスッキリし、小顔効果があります。
ランナーが普通にやるストレッチで自然と体液循環は良くなっていると思いますが、それでも休息が大事なことが以下の抜粋でわかります。
ほとんどの場合、日中は下に向いている足を就寝時に水平にすることで、リンパの流れはとてもスムーズになります。
なるほど、睡眠はカラダを休めているだけでなく、リンパ液の循環を促す(=カラダに入った毒素を取り除く)ためにも必要なのですね。風邪を引いたりしたときに横になることが必要なわけが納得できます!
・・・脳脊髄液を上手に循環させることができれば、静脈以外の体液循環、つまり動脈血、リンパ液までもが滞りなくめぐるようになります。
それを誰でも簡単にできるようにしたのが「モゾモゾ体操」です。
脊髄って神経が通っている重要な箇所っていうイメージがありましたが、その中に体液が流れていて循環しているというイメージはありませんでした。さらにその循環をよくすることが、他の体液の循環にも影響するなんて!「背すじが伸びる」思いですね⁉
仙骨を使うモゾモゾ体操
この方法は、骨盤をほんの少し軽く固定して足をモゾモゾと動かしたり、ワイパーのように動かしたりすることで、仙骨を刺激してプロが行う施術と同じ効果を期待するものです。
ここでとても重要なのは、
①順番を守ることと、
②豆腐をつぶさない程度の優しい力で行うことの2点です。
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1.仙骨を動かして 脳脊髄液を循環させる「足の押し出し」
あおむけに寝てください。全身をリラックスさせて、腸骨を手の平で包みほんの少しだけ(1センチ程度)恥骨の方に押します。力は小さいほど効果的。赤ちゃんの頬を触るくらいの圧と思ってください。
体の力を抜いた状態のまま、左右交互にカカトを2センチほど押し出します。カカトを直角にする必要はなく、リラックスした状態で行いましょう。5~10回、気持ち良いくらいの回数繰り返します。
2.クビのつまりをとって脳脊髄液の循環促進「顎出し」
奥歯の下の下顎角(かがくかく)をいわれる出っ張ったところに、母指球(手の親指の付け根のふくらみ)を当てて、軽くアゴを出します。
3.仙骨を動かして脳脊髄液の生産を促す「ワイパー運動」
1.と同じように軽く腸骨をそっと包みます。くれぐれも力加減を強くしないように、気をつけてください。赤ちゃんのほっぺを包むくらいの力で行ってくださいね。
両脚を同時に左右にゆっくり動かします。仙骨が動かないとこのワイパー運動はやりにくいと思います。でも、無理をして大きく動かすと効果が出ません。ほんの少し動かすだけでも十分効果がありますので、安心して行ってください。
4.生産した脳脊髄液を流して終了
最後にもう一度、1.の足の押し出しを5~10回行って循環を良くしてあげましょう。
そのまま寝れば、脳脊髄液の循環が良い状態で疲労回復効果がぐんと高まるでしょう。
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(画像:ウィキペディアより)
赤い部分です。その左右が腸骨となります。下部に尾骨があります…尻尾?
この赤い部分を動かすのが重要なのですね。
それにしても、このモゾモゾ体操って脚を長くするような体操ですね。脳脊髄液の循環が良くなって、さらに脚が長くなったら一石二鳥ですね‼
体液循環を良くする深呼吸の方法
・深呼吸して息を吸い、四肢を外旋させると(手足を外側に回す)、脳脊髄液を生産します。
・深呼吸して息を深く吐き、四肢を内旋させると(手足を内側に回す)、脳脊髄液を循環させます。
呼吸の深さは人それぞれですが、息は吸う時の倍の時間で吐くようにしましょう。
(1)吸って 4秒 (2)止めて 1秒 (3)吐いて 8秒
というように3回~5回繰り返しましょう。
第4章『こうすればあなたのカラダはもっと「流れる」』では3章のエクササイズ以外の体液循環をよくする生活の中のヒントなどが紹介されています。
・・・基本的には、次の3つのバランスがとれていれば、特別に何か運動をしなくてもいいし、このバランスがとれていれば、深い睡眠に入れて健康でいることができるのです。
1、構造にあわせ正しく使う(構造)
2、正しくガソリンを入れる(循環・栄養)
3、穏やかな運転手が運転する(心)
カラダをクルマに例えて、上記の3つを守れば故障しないということでしょうか。しかし、クルマも定期的にエンジンをある程度の出力で動かしたほうがいいですよね。やはり運動はしないよりはしたほうがいいです。
力ずくのマッサージがよくないなら、どのようにしたらよいでしょうか?
1枚ではなく5,6枚重ねた風船に水を入れて水風船を作ったところをイメージしてみてください。
今まで強い刺激を受け続け背中が固い、肩こりがひどいときは、そこを押すよりも、「つまむ」方が、重ねた水風船がばらけやすいです。
体液を中心に身体をみて、カラダを水風船に例えています。 なるほど、身体のどこかが硬くなっていると感じたら、まずはつまんでみたほうがいいのですね。ついつい押してしまいがちでしたが、根本原因が体液の滞留であれば、つまみあげたほうよいのは納得です。
腰が曲がったり、ねこ背になるというのは、体という水風船がいびつになっている状態です。
もし、骨格や筋肉を正しい位置におくことができれば、水風船はいい形のまま存在できます。
前著「たった3センチで人生が変わる座り方」でも書きましたが、座るときの骨盤の位置を変えましょう。何も考えずに腰かけると、普通は肛門に体重が乗ってしまいます。そうではなく、「太ももの付け根」に体重がかかると体は安定します。
太ももの付け根って股関節のことですよね。なるほど、座っているときは、足に重心を置かずに体幹に重心がのっているほうが安定するということですか。
走ったり、歩いたり、または立っているときも股関節や骨盤を意識することは大事だと思いますが、座っている時も意識するほうがいいんですね。股関節ファーストです!
長くなりましたが、いかがでしたか? ランニングやウォーキングでフォームを意識することは体液を循環させることにつながることが分かったと思います。ランニングやウォーキングのモチベーションアップにつながりますよね‼
「3つの体液」を流せば健康になる! ──血液・リンパ液・脳脊髄液のしくみと流しかた
※本書には最新版があることがわかりました。ので購入する場合は、こちらをお勧めします。
脳脊髄液・リンパ液・血液を流せばみるみる元気になる!