ランニング フォーム 改善! 骨盤 肩甲骨 姿勢 習慣 など

ランニングフォームの改善に役立つ教本や関連本を紹介、フォームを進化させて走力を上げましょう!

ランニング教本:「99%の人が速くなる走り方」 平岩 時雄 著

つぶれない走り方、バウンシングを身につけて速く走ってみよう!

 ランニング関連本をあれこれ読んでみて、マラソン以外の走り方の教本、いわゆる単距離を中心とした走り方の教本も長距離のランニングフォーム改善に役立つと感じています。単距離は速筋や瞬発力を使い、長距離は遅筋や持久力を中心に使うという違いはあるものの、効率的なランニングフォームには通ずるものがあると思うからです。
 今回の教本は、著者が元ハードル選手で、現在は球技や様々なアスリートのコーチであることもあり、競技や試合に役立つ「速くなる走り方」をテーマに考察しています。
 マラソンは単距離やその他の競技のように全速力では走らないものの、もちろん記録を伸ばすには、それなりに速く走る必要はあります。また、最近思うのは、ゆっくり走ろうと意識することが原因で身体が上下に沈み、結果、フォームが崩れることが多いのでは、ということです。ある程度速く走ろうと意識するほうが、効率的な身体の使い方ができるようになり、ランニングフォームが洗練され、楽に走ることにつながると思います。

 

 それでは、本書よりランニングフォーム改善に役立ちそうなヒントを抜粋して紹介してみます。

 

筋原線維の動きは、次のうちどれでしょう?
(1)伸び縮みする
(2)伸びるだけ
(3)縮むだけ
 答えは(3)の縮むだけ、です。筋は厳密にいうと、ギュッと縮むか、弛むか、だけです。ギュッ、とする時には、筋肉を短くするか、あるいは固めるかのどちらかのために働きます。筋肉を短くする、というのは、腕を曲げたり伸ばしたりする時です。固める、というのは、腕の角度を変えずに何かを持った時に力を発揮する状態です。このように筋原線維を短くするのを収縮する、と言います。

  この筋原線維の働きを知ったところで、直接ランニングフォーム改善に役立つというわけではありませんが、頭には入れておきたい知識です。
 ランニング時には様々な関節が稼働していますが、その関節の動きは筋原線維の屈曲と伸展で実現しているといえます。上記の筋原線維の主な働きが「縮むだけ」なら、屈曲側の筋力を緊張させ、伸展側の拮抗筋である筋肉をなるべく弛緩させることが効率的な運動となることがわかります。しかし実際は走っている時にこっち側を緊張させ、反対側を弛ませなど意識していると、逆にぎこちない動作となってしまうでしょう。そうではなくて、理想的なフォームを目指して、適正に着地し、関節が動作していて、自然にどこの筋力が緊張しているか、弛緩しているかを観察してみて、違っているなと思ったら(例えば着地時に大腿四頭筋が余分に緊張しているなと観察できたら)着地位置や姿勢を修正する。能動的に意識するためというよりも、フォームや動作を修正するための知識としてバイオメカニクス(身体運動学)て役に立つと思います。

  

  スポーツの能力を発揮する際、姿勢欠点は力の伝達に対して、大いにマイナスに働きます。分かりやすい言葉でいうと、「つぶれている」のです。
 私たちの身体は、地球の重力があるから、力を発揮できます。地面、あるいは地面に接した固定物に身体のどこかが着いた瞬間、筋力は働くことが可能になります。ところが、頭の位置が全身にとってバランスの良い位置にのっていなければ、地面に着いた瞬間、関節は衝撃を緩衝し力を発揮しにくくなります。

 自分の姿を鏡でみてください。正面から。横から。
 あなた、つぶれていませんか?
 次に、動きの中でつぶれる現象について説明をします。
 まず簡単に試してみましょう。

 その場に立って、壁の近くに身体をまっすぐにして立ってください。
  片手を壁に向かって伸ばします。体重を傾けながら、手の平の一番下の部分を壁につきます。

① この時、ヒジを曲げて着くと、どうなりますか?

② まっすぐに着くとどうなりますか?

③ 腕を斜めにして着くとどうなりますか?

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 それぞれ結果が違うはずです。
 答え合わせをしましょう。

 ①の場合、ヒジ関節に負担がかかってグニャっとしますよね。そんなことはない!っ人はかなり踏ん張りましたね。

 ②の場合は、少しヒジにビン!と張る感じが出て、ダン!とつきます。

 ③の場合、手のつく位置と身体がずれて、身体が壁の方に行きやすくなります。

 どうですか?何度かやってみると、要領がわかってきます。ヒジに負担が来ない程度にやってみてください。どれが本書の目指す着き方だと思いますか?

  はい、答えはです。

  手をうまく着くと、ちょっとだけ跳ねることが出来るようになってきます。ポン!という感じです。コツは、手首を固めて手首、ヒジ、肩関節の働きを関与させないことです。
 これが、「つぶれないで跳ねる」原理です。壁に向かって、まっすぐに手を着くのですが、斜めだったり、横ブレをしたらとても跳ねにくいです。ヒジが曲がってしまったら、跳ねるどころか手では支えきれずに、身体が壁にぶつかってしまうこともあるかもしれません。
  体操選手は、手で跳ねる原理を使って跳馬や床運動をします。この簡単な手の実験を、手=脚、壁=地面、としてイメージの転換をしてください。原理はまったく同じです。地面に着く瞬間、あなたのヒザが外や内に崩れなければ、スピードは出やすくなります。手首、ヒジ、肩関節を固めたように、あなたの背中、ヒザ、足首がつぶれないで動くのは、ちょっとしたコツなんです。

  なるほど!とてもわかりやすいです。下半身の関節のアライメントを上半身に置き換えてみるなんて、思いもよりませんでした。体操選手にとってみれば、反力は何も脚の専売特許ではないのですね。
 腕の壁ドンを脚に置き換えると、床ドンでしょうか。「ドン」だとやや沈み込む音感があるので、床トンのがイメージが合いそうです。
 脚で床トンで下半身のアライメントを意識してみると、腕のアライメントよりさらに垂直な反力を感じることができます。壁ドン(腕)だと肩のあたりまでの関節のアライメントを揃えると跳ね返りと感じますが、床トン(脚)だと足裏~股関節~首の付け根あたりまでの縦に伸びるアライメントを感じることができました。
 頭の中で脚を腕に置き換えて(自分のヘソから下には脚ではなく腕がついているのだと想像してみる⁉)、足を地面(床)に着いてみると不思議に新鮮な感じがして、関節のアライメントを調整しやすくなると思います!
 

 

つぶれている人の走り方には、大きな特徴があります。
 それは、地面(床)を押し過ぎて走るということです。
 言葉としては、蹴り過ぎている、といってもよいでしょう。

「押す」「蹴る」という述語は、人によってどのくらい押すのか、蹴るのか、とらえ方が違います。感性にゆだねるべき、身体に現れる言葉を、「押す」「蹴る」で伝えきれるものではないとボクは考えています。
 どうしても、押そうとする行為、蹴ろうとする行為が、走るスピードに負けてしまうのです。頑張ろうとすればするほど、遅くなる。「ちょっとだけ」でいいのです。

  自転車を漕いでいるところを想像すると、この「ちょっとだけ」がわかりやすいですかね。自転車を漕ぎ始めて、最初はペダルを押す意識が強いと思いますが、スピードにのったらペダルの回転に脚を合わせるために、押す意識は「ちょっとだけ」になると思います。
 走っているときにスピードに乗ってきたら、自転車を漕いでいるときと同様に、脚の力を抜いて、脚の回転に身体を委ねて(この時、股関節から脚が回転していることを確認!)、足が地面から離れるときに地面を「ちょっとだけ」押す感覚になれば理想的ですね。

 

 私たちは、常日頃から跳ねる動きを自然にやっています。例えば縄跳び。連続してジャンプするのに、毎回ヒザの曲げ伸ばしをしませんよね。特に、二重跳びをする際には、高く跳ねないといけませんから、すばやくジャンプを繰り返しています。あの要領が腱による跳ねる動き方です。
 「高速走行」は、ヒザ関節の曲げ伸ばしをほとんど使わない走り方です。ほとんど、と言いましたが、コンピュータを使った分析では、わずかに使われています。ただ、走っている時に、わずかに使おうとして良くなることはまずない、と断言します。

 

 脚が「うまく力を伝えれば」速い速度を維持することができます。できるだけ維持したければ、筋を使わずにを使いましょう。ただし、全身を同一体として重心を運ぶシステムにする必要がありますから、バラバラにならないでくださいねあなたの身体には、バネが備え付けられているから、それをうまく使うといいですよ!
 ということです。跳ねる動き方をバウンシングと言います。

  そもそも「腱」って何だか分かりますか? アキレス腱くらいしか思いつかないと思います。じゃあ、「アキレス腱」って具体的に言葉で説明してと言われると?普通は「ここ」って指をさし示すくらいのレベルですよね。 
 調べてみると、腱は筋肉の両端が骨につながっている(それで関節が動く)のですが、筋肉は柔軟に動き(収縮したり弛緩したり)柔らかいので、そのまま骨に着くには都合が悪いらしく、骨に着く手前に腱があるらしいのです。骨は硬く、筋肉は柔らかく、腱はその中間ですかね。腱は筋肉と骨をつなげる役割を担っているのですね。
 アキレス腱は、ふくらはぎ(腓腹筋とヒラメ筋)とかかとの骨(踵骨)をつなげる役割を担っているのです。全ての筋肉はその両端に腱があるのですが、アキレス腱は腱のなかで最大最強です。やはり体重を長時間支えるためですかね。ちなみに「牛筋(ぎゅうすじ)」って牛のアキレス腱らしいです!筋(すじ)っていうから筋肉だと思ってしまいますよね!
 脱線してしまいましたが、腱は筋肉の両端にあるわけなので、腱=バネだとすれば上の抜粋にある通り全身にバネがあることは確かです。ポイントはやはり抜粋にある通り、バラバラにならない=揃えることでしょう。床トンでアライメントを揃えて腱(バネ)を有効に使うことが、つぶれない走りにつながるのです。まとまりました!

 

99%の人が速くなる走り方 (ちくまプリマー新書)