ランニング フォーム 改善! 骨盤 肩甲骨 姿勢 習慣 など

ランニングフォームの改善に役立つ教本や関連本を紹介、フォームを進化させて走力を上げましょう!

身体操作教本:「じつはスゴい股関節」 深代 千之 著

スゴい関節=股関節を活かしてランニングフォーム改善!

  前回、つちふまずをテーマにした本(健康な身体はつちふまずが知っている)を紹介しましたが、その中で軸に関する記述があり、軸を形成する5つのポイントが挙げられていました。そのポイントとは、つちふまず・膝関節・股関節・みぞおち・首の付け根です。これらのポイントはそれぞれ大切なのですが、その中でもいちばん大きな関節であり、ランニングフォーム改善に影響が大きいと思われるのは股関節。そこに焦点をあてた本を検索していたら本書に行きつきました。

 ただし、股関節の使い方を学ぶ前に、股関節の正しい位置を把握しているか確認する必要があります。というのは、自分としてもランニングフォーム改善に取り組む前には股関節の位置を正しく認識できていなかったからです。
 本書にも股関節の図がはじめのほうに出てきますので、解剖図的に、見識としては把握するのは簡単です。が、図で把握するだけではなく自分の脚で確認する必要があります。感覚的に正しく把握できていないと、違った場所を意識してしまい教本の意図する身体操作からずれてしまうことがあり得るからです。特に股関節は足首関節や膝関節などの見える場所の(外側にある)関節と違いインナーにある関節なので場所を勘違いする可能性があります。
 他の教本で書いてありましたが、股関節位置の具体的な確認の仕方は、ズボンの前ポケットに手を入れて、その手の指先あたりだといいます(女性だとやや外側)。たぶん、思ったより内側(股間寄り)だったのではないでしょうか。また前後位置も思っているより尻側にあります。なんせ、英語では Hip Joint っていうくらいですから。要は、思っているより背骨の真下に近い股間の横あたりだと再認識したほうが正解でしょう。

 

 さて、本書よりランニングフォーム改善に役立ちそうなポイントを抜粋してみます。

意識ひとつでこんなに変わる!ラクな「立ち方」

 静止した状態においてもっともラクな立ち方は、くるぶしの上に、膝、股関節、頭がまっすぐに乗るように立つことです。
 関節には、一方の骨ともう一方の骨が押し合い、拮抗する力が働いています。これを「関節間力」といいます。・・・
 くるぶしの上に、膝、股関節、頭をまっすぐ乗せれば、関節間力だけで立つことができ、ふくらはぎなどの筋肉をほとんど緊張させることなく、立っていられます。

 

f:id:Tomo-Cruise:20180815053912j:plain前回紹介した「健康な身体はつちふまずが知っている」にも「正しい立ち方」として、つちふまずの間に頭がくるように、とありましたが、ほぼ同じことがここでも指摘されています。
 さらにここでは、関節間力という言葉が登場しました!重力の反力が、接地点の足裏だけでなく、各関節にも働いているという説明はなるほどです。
 なので、静止しているときに膝を曲げると、この関節間力が効かずに、膝が曲がる方向に「回転する力」が重力によって働き、拮抗する筋力を使う必要がでてくるということです。
 走っているときはどうでしょうか。進む方向に力が加わるので、関節は適度に曲がるものの、関節を柔らかくして力を抜いておけば、垂直方向にはこの関節間力が働くのでしょう!

長い時間「歩く」コツ

 長い時間歩くことを目的にするなら、かかとから地面に足を着け、そのままかかとで蹴り、つま先立ちにならないように意識する。そうすれば股関節の力を利用でき、足首の負担を減らせるのです。

 ウォーキングにしても、つま先(の付け根)着地=フォアフット着地を勧める教本も多いですが、ここでは、かかと着地を推奨しています。ポイントは、そのままかかとで地面を蹴る(押す)という点でしょう。確かにつま先を意識してしまうと身体の上下動が起こりやすく無駄に筋力を使ってしまいます。より重要なのは、着地時の横から見た各関節の垂直方向のアライメントでしょう。いろんな教本にもある通り、股関節の真下付近で着地することがポイントです。身体より前方での着地ではつま先でもかかとでもブレーキとなります。

 

身体への負担が少ない「階段の上り方、下り方」

上り:上体を前に少し倒し、太ももの裏やお尻のあたりを意識する。
下り:あらかじめ膝をやや曲げ気味に下りることを心がけ、関節間力による衝撃を和らげる。

  階段の昇降ってとてもランニングフォームのチェックに適していると言えます。なぜかと言えば、特に上りの時はどこの筋力を使っているかを自覚しやすいからです。股関節から脚を伸展できていればハムストリングスや臀部が使われています。できていなければ前腿(大腿四頭筋)が張ってきます。

 

「腰を入れる」の本当の意味

「腰を入れる」のは、股関節で作った腰回転の力を、腕や手先にまで伝えるための有効な手段。

 「腰入れ」=「股関節の起動」とイメージできると、逆の「腰抜け」=「股関節が起動していない」=「脚の筋肉が必要以上に緊張している」というイメージもできそうです。

 

「膝を抜く」って、どういうこと?

「落ちる」ことを利用した動き。
膝を抜くとき、どの筋肉がどのように働いているか:まず、自由落下を生むために膝関節と股関節を曲げる。そして、一定の高さで落下をくい止めるが、この衝撃をうけとめるのもまた、股関節。さらに膝を抜いたあとの姿勢は腰を入れた状態。股関節を使いやすい姿勢。

  この「膝を抜く」概念は、ブレーキをかけない着地に必要な意識といえます。着地時に「膝が抜けていない」と前腿(大腿四頭筋)が緊張していることになります。上記のように「膝を抜く」ことができていれば、前腿が緊張しなくても股関節が着地の衝撃を受けとめてくれる、この身体操作がブレーキをかけない着地のポイントといえるでしょう。=ランニングフォーム改善の重要ポイントです。

 

 

「身体の軸」の正体とは?

力学的に言えば、回転していない静止姿勢の状態で、そこに「軸」は存在しない。
スポーツの指導者たちが「軸を意識しろ」と指導するときの「(感覚の)軸」の正体とは、「関節間力」にあると考えられる。つまり、「身体の(感覚の)軸」を意識した姿勢とは、関節間力が大きくなる姿勢を指しているのではないか、ということ。・・・・つまり、関節間力を使って余計な筋力を使わないことで、パフォーマンス向上のために筋肉を最大限使えるようになるのです。

 前回紹介した「健康な身体はつちふまずが知っている」に軸(JIKU)の概念が登場しましたが、ここではその正体を「関節間力」と想定しています。なるほど、軸を英語でいうところの"axis"と考えてしまうと地軸みたいにその周りを回転する動作のイメージになってしまいます。関節間力と理解すれば、身体に複数の軸(JIKU)が存在することが腑に落ちます。

 

 

エクササイズ10:脚と手の力比べ

イスに座った姿勢で手を膝の上に置き、膝を上に上げようとします。それを手で押さえ込むようにして、股関節を曲げる筋肉を鍛えます。

  本書の後半で、実践編として22のエクササイズが紹介されています。その中で上記のエクササイズ10が使えるなと思ってので抜粋しました。確かにこのエクササイズは股関節を意識しやすく、しかも職場で目立たずにできます!

 

 

身体を動かすのは人間の「本能」

私たちの身体は、「活動したい」と望んでいるのです。その証拠に、気分が落ち込んだときに運動をすると、スッキリしている自分を感じたことはありませんか?・・・身体を動かすことは、自律神経の働きを整え、ホルモンバランスの維持につながるという研究もあるそうです。

 締めの章からの抜粋です。「身体を動かすこと」が自律神経の働きを整えるというのは確かだと思います。ランニングやストレッチ後の精神的ポジティブ感は確かに存在します。運動を習慣化するのは本人の努力や意志も必要だと思いますが、根性で継続するよりも、自律神経を調整するためにも有効だと思って継続するほうがさらに精神的に健康になりそうです。

 

 

じつはスゴい股関節 (一般書)