ランニング フォーム 改善! 股関節と肩甲骨を動かそう!

ランニングフォームの改善に役立つ教本や関連本を紹介、フォームを進化させて走力を上げましょう!

健康法教本:「脳細胞が増える!本当にすごい! スローステップ」田中宏暁 著

足踏みからの、一番敷居の低いランニング入門書かもしれません!

 今回はランニングやウォーキングを習慣としている人よりも、その手前の、運動を習慣としていない人向けに書かれた健康法の教本の紹介となります。よってジョギングが最終目的となっており、速く走るためのフォーム改善というスタンスをとってはいませんが、すでにランニングをしている初中級者でも、バカにせずに試してみると、フォームが改善されるようなヒントが隠されています。

 さて、内容ですが、笑顔で行えるような軽い運動=「ニコニコペースの運動」を習慣化するメソッドを紹介するというものです。具体的には「足踏み」から「スローステップ」に移り、「スロージョギング」を目指します。まずは、その場での足踏みという基本中の基本なのですが、今までランニング前にウォーキングはしても足踏みってしたことがなかったと気づきました。改めて一定時間実践してみると、なるほど運動になります。しかし、自宅で1階に住んでいる人はいいですが、マンションや2階以上では騒音が気になるところです…。

 

 ともあれ、足踏みのポイントを抜き出してみます。

 

  •  裸足で足踏み⇒ 足指の付け根で着地していることに気づく
  • 股関節の角度はおよそ60度⇒ 脚は高く引き上げ過ぎずにリズミカルに繰り返す、1秒間に2歩のペース
  • 1日のうちに1分間の足踏みを30回、計30分行う

  

 裸足で行うのは、かかとをドンドンと床に着けて足踏みすることを防ぐためとのことですが、足圧を感じるためにもいいことだと思います。冬場などは別に靴下をはいていても問題ないと思います。ただし、この足指の付け根での着地(フォアフット着地)というのは、ある程度ランニングに慣れている人は感覚がつかみやすいと思いますが、突然運動を始めた人には難しいと思います。そういう場合は、足裏全体で着地するように意識しても問題ないと思います。いずれにしても、継続のポイントはテレビを見ながら(CMになったらとか)、スマホを見ながらなどの「ながら運動」でしょう。
 

 足踏みを数週間継続できたとして身体が慣れてきたら、次のステージはステップ台を使う「スローステップ」です。低い台を昇り降りするという足踏みに高低差をつけて負荷をかける運動となります。

  •  専用台がなくとも、かわりに階段や段差を利用するのも可
  • 先に乗せた足を台から降ろす。元の立ち位置に戻ったら逆の足へ移る。交互に繰り返す
  • 1秒間につき1ステップ。1,2,3,4で1回分の昇り降り、逆足から台に乗せて5,6,7,8で1回分の昇り降り。この要領で1分間で15回、リズミカルに台の昇り降りを繰り返す
  • 1日に10分間のスローステップを3回、計30分行う。テレビを見ながらなどでOK

  このスローステップは、専用台があれば、やはり「ながら運動」が継続のポイントになってくると思いますが、普段の生活の中で階段を使う機会がある場合はルーチンで活用するのもポイントだと思います。普段の生活の中で10分間も階段を継続的に昇る(降りる)ことはないとは思いますが、移動時の駅でエスカレーターを使わずに階段を使用したり、会社でエレベーターを使用せずに階段で移動したりと実践していけば通勤時や会社内で細切れの時間を活用することができます。

 

 本書では、ここで身体を動かすことのメリットを解説する章となります。特に脳細胞が増えることをアピールしています。実験で証明されたのは、海馬と前頭前野の部分。海馬とは「新しく獲得した情報をいったん保存して、それを長期的な記憶として留めるかどうかを判断する部位」と考えられていて、いわゆるPCでいうところのメモリーでしょう。PCのメモリー容量が増えると作業が快適になりますね。前頭前野とは「思考や意欲といった人間的な脳の活動を一手に引き受ける、脳のコントロールタワー」で、PCでいえばおOSのあるドライブCといえるでしょう。ドライブCの容量は確保したいですよね。
 興味深いのは、研究では、ストレッチでは上記の脳細胞(海馬)は増加しなかったということ。いわゆる有酸素運動を繰り返すことが脳細胞の増加に関連しているらしい。他にもダイエット効果、糖尿病や高血圧の改善などの有酸素運動のメリットを解説して3ステップ目のスロージョギングのステージに移ります。

 さて、「スロージョギン」とは、どのくらいのペースなのでしょうか。本書では「基本は、息切れをせず、笑顔を保って会話できるようなスピードで走ること」と定義しています。また具体的には、ステップ1と2の足踏みとスローステップを実践した人なら時速4~5kmくらいでも楽に走れるスピードだといいます。ランナーであればキロ~分のペースのほうがピンとくるでしょう。時速4kmだとキロ15分、時速5kmだとキロ12分、時速7キロだとキロ8分30秒くらい、時速8kmだとキロ7分30秒となります。そして「ニコニコペース」を平均的な年代に当てはめると、20代で時速7km、50代では時速5km、70代になると時速4kmといいます。なるほど、かなりスローですね。それでは本書より著者の指摘するポイントを抜粋します。

  スロージョギング、7つのポイント

1.ニコニコペースで走る

速く走ることを意識せずに、あくまで楽なペースで走ります。

2.歩幅は小刻みに

自分が思っている以上に歩幅を細かく速く刻むのがポイント。

  3.着地は足の指の付け根で

着地はかかとではなく足の指の付け根で、一歩一歩軽やかに。

  4.あごは上げる

あごは引かずに上げて、目線を上に向けましょう。

5.足の運びは2軸

2本のレールの上を走るつもりで足を交互に運びます。

6.腕振りは自然に

腕は一升瓶振る必要はありません。あくまで自然に。

7.呼吸は自然呼吸で

呼吸は意識してコントローせず、息切れしないように。

  2の「歩幅は小刻みに」というのは7つのポイントの中で一番重要な項目となります。前述のようにスピードは4~5㎞/hというスローペースでいいとしても、本書ですすめるピッチは1分間に180~200歩程度、15秒で45~50歩くらいの小刻みな足運び、1秒間に3ステップです。これはランニングを習慣化していないと結構きついペースです。初中級ランナーでも170~175くらいの人はざらにいると思います。よって、足踏みでこのピッチまで持っていかないと、スローステップやスロージョギングで180歩/分のピッチを維持するのは難しいでしょう。
 しかし、ここがマラソン経験者でも復習ポイントとなってくると思います。ランニングが習慣となっている人は、今さら足踏みなどあまりしないことでしょう。また5km/h(キロ12分)を180spm以上のピッチでこなすこともないでしょう。走り始めると自然とストライドも拡がり自分の走るリズムとなることでしょう、この場合、ピッチは180spm以下であることが多いと思います。そこで、あえて速度を犠牲にしてでも、またはその場での足踏みでも、ピッチを180spm以上、できれば200までもっていくドリルをしてみるとフォームが改善される可能性が大だと思います。なぜかというと、余計な筋肉や末端が緊張していると高ピッチは基本無理だからです。ちなみにピッチはスマホでメトロノーム的フリーアプリで簡単にチェックできます。

 もう一つ注意したいのは3の「着地は足の指の付け根で」です。前述しましたが、走りこんでいない人がフォアフット着地を意識すると、腰が引けて骨盤が後傾してしまう可能性が大きいといえます。身体の前方にカカトから着地することさえ防げれば、あまりどこで着地するか意識しなくてもよいかと思います。意識すべきは、地面を蹴ったりしない、ライトでリズミカルな着地でピッチを上げることでしょう。

 そして本書では、スロージョギングを15分実践することから始め、慣れてきたら30分、最終目標を1時間と設定しています。また体力のない人は1分間のスロージョギングと30秒の急ぎ足のセットを勧めています。
 スロージョギングとウォーキングのセットであれば、はじめからウォーキングを30分なりしたほうがいいのではないかと思う人もいるかもしればせんが、本書の指摘では、時速6km/hくらいをさかいに走ったほうが運動強度が低く身体に負担がかからないといいます。なるほど、競歩に近づくと、ゆっくり走るよりキツイということですよね。

  本書の著者は、プロフィールの中で「自ら46歳よりマラソンランナーとして活躍」とあります。自分も40歳から徐々に走りはじめましたが、この足踏みから始めるメソッドは中高年からランニングをはじめようと思っている人にはとてもおススメですし、ランナーでもフォーム改善やピッチ向上を目指している人にとっても高ピッチの足踏みやスロージョギングは有効だといえます。

 

脳細胞が増える! 本当にすごい! スローステップ

 ※本書は中古品のみの販売となっているので、同じ著者の関連本も紹介します。

 

 
 
また、ステップ台のおススメも以下に紹介します!