ランニング フォーム 改善! 骨盤 肩甲骨 姿勢 習慣 など

ランニングフォームの改善に役立つ教本や関連本を紹介、フォームを進化させて走力を上げましょう!

ウォーキング教本:「小山裕史のウォーキング革命」 小山裕史 著

内旋動作が特徴のウォーキングハウツー本

 と、上記のタイトルの内容ではありますが、ウォーキングのハウツーは最終章の7章に凝縮されています。1~6章は通常の靴のダメ出しとその靴から起因する歩き方のダメ出しが中心です。各章のはじめにジェシーとボブという恋人同士の会話スタイルが登場します。内容はボブがジェシーからプレゼントされた靴を履いて身体の調子を崩し、それがある出会い(著者との)で解決されていくというものです。が、妙なテンポのシュールな会話で、かなり遊びが入っています。ということでこの会話劇は飛ばして読んでも支障ありません。構成は以下です。

 

第1章:歩き方とシューズの謎の扉を開く
第2章:ストレスを増産する歩き方と自己防衛
第3章:「理想の歩き方」の名付け親は「誤解」
第4章:「脳力」を高める歩き方、低める歩き方
第5章:シューズと足・脚、歩き方の非科学と科学
第6章:魔法使いのシューズと科学使いのシューズ
第7章:歩き方とシューズが医療保険制度破綻を救う(レッスン編)

  歩き方や身体をダメにするシューズとは、ハイヒール系とクッション系の靴に集約されます。そして、以下の弊害を起こすといいます。

  • 足先前先端エリアに荷重させる(ハイヒール系)
  • 地面からの反力をもらえない(クッション系)
  • 足底のアーチ(土踏まず部分)にダメージを与える(両方)
  • 本来の足圧中心の移動を阻害する(両方)
  • 足指は曲がったままの状態で伸びる動作を阻害する(両方)

 上記の内容を1~5章で詳細に、いろいろな例や科学的実証をもとに展開されています。そのうえで、5章の途中から6章に著者が開発・販売を手掛けるBeMoLo(ビモロ)シューズと、やはり著者が代表を務めるワールドウィングというジムでの初動負荷トレーニングの説明が科学的データとともに展開されます。
 私の自宅近くにはワールドウィングがないのと、経済的余裕もないので、そのジムにはなかなか通えませんが、シューズは思わずネットで価格などを調べてしまいました。価格は通常のランニングシューズ並みでしたので、そのうちどちらかの提携販売店で実物を見てから購入しようかな、と思ってしまいました…。

 さて、その靴や靴に起因する歩き方のタメだしの説明の中でも、歩き方(=走り方)や身体操作の要点があったので以下、抜粋させていただきます。

  •  脚は上げるのではなく、身体重心の移動が先行し、それに追従するかのように、必要最低限に上がるのが神経筋制御、運動制御にとって自然な動作。
  • 軸足=大転子(もしくは股関節)ー膝関節ー足関節の外側が垂線上に並ぶ。
  • 人間の歩行スタイルに求めたいものは、軸脚で地面を押し、前に(厳密には股関節、肩関節の角度と力の方向を得て、軸脚を基準とした「斜め前」に)移動することです。左右交互にこれを行うことが、バランスをとって真っ直ぐに歩くという動作なのです。
  • 筋肉などの軟部組織や関節の髄液は、材質の特性で、静置すると「固化」し、揺り動かしたり、適切な角度や速度を得た外的な力を与えると、軟化、液状化し、また静置すると固まるという性質を持ちます。
  • フォースが高まる=筋活動が増大し動作の加速度が高まる
  • パワーが増大する=フォースにスピードが加わっていること

 

 上記のように抜粋してみると、歩き方の要点が列挙されていますが、各章にわたって飛び飛びに指摘されています。それらを具体的にまとめて説明するのが最終章となる第7章の歩き方(レッスン編)です。

  1.  立つ:
    踵骨(カカト)、第四指(薬指)、第五指(小指)を中心として立つ=外側で立つ=アウトエッジで立つ
    平行に立つ=シューズのアウトエッジどうしが平行
  2. 歩き出し(振り出しては駄目!):
    左右どちらかの胸を軽く前に出す⇒ 胸を出したほうの脚が自然に前に出る。
    前に出る脚の理想的な動きである内旋を合理的に行うことができれば、軸脚が地面や床を押す力を増すという利点を更に高める。
  3. フラット着地二直線歩行:
    =理想的な内旋動作を伴った平行着地
    軸脚の根幹部が合理的に活動し、この足底部に力が伝達され、その反作用の力や、神経筋機能の亢進により、遊脚が内旋されれば、着地の一歩目となる末端部の足底も、勢いよく加速させることができる。
    逆に着地時の、つま先が開くと、足は外回り(外旋)を繰り返し、必用の無い関節、筋肉の活動が現れる。
  4. 軸脚の動き:
    足が地面から離れる時は、決して蹴らないように!その場所から、内旋の動作を利用して「離れる」だけ。
    この動作をマスターした方の踵の動きを後ろから観察すると、瞬間、踵が真後ろから外方向へ移動する。
  5. 腕の動き:
    軽く身体の前にある何かを、親指と人差し指で捉えるような動作で、小指は少し上を向かせたい。「身体の前にある何か」とは重心、これから先に移動していく重心。

 

 以上の5項目に、6:肩の動き(コーナリング)と7:階段を登る時、下る時、8:物を持った時 が加わります。ウォーキングの基本は上記の5ステップとなります。
 ポイントは・軸脚アウトエッジ・遊脚内旋 でしょう。そしてこの2つのポイントを結ぶ連続性のポイントは・足圧中心の移動 となります。
 他の身体操作教本やウォーキングやランニングフォームに関する教本と異なるのは、この内旋を強調するところでしょうか。また腕の振り方も独特の表現だと思います。
 実践してみると確かに速く楽に歩くことができますし、ランニングフォームにも適用できる部分が多いと思います。著者開発のシューズを履いたりジムに通わずとも、フォームに関してとても勉強となる本でした!

 

小山裕史のウォーキング革命~初動負荷理論で考える歩き方と靴