ランニング フォーム 改善! 骨盤 肩甲骨 姿勢 習慣 など

ランニングフォームの改善に役立つ教本や関連本を紹介、フォームを進化させて走力を上げましょう!

身体操作教本: スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと 小田伸午 著

写真、図解豊富な身体操作の教科書ということで、大判です!

 

 前回紹介した「怪我をしない・・・」を読んで、小田伸午氏の本をいくつか読んでみたくなり、本書にたどり着きました。「怪我をしない・・・」よりも具体的で、写真や図解が多く、講義に使うテキスト的な本で、B5サイズあります。なので、持ち歩いて読むには大きいです!
 でも「怪我をしない・・・」が大きさ的にも読み物的であったのに対して、解説が詳しく実践的な内容です。より理解が深まります。出版年はこちらの方が先ですが、「怪我をしない・・・」を先に読んでから、こちらを読むほうが順番がいいと思います。

 

 さて、「怪我をしない・・・」にあまり登場しなかった内容を紹介します。
 頻繁に出てくるキーワードに「押す動作」と「引く動作」、「外旋」や「膝を抜く」などがありますが、まず、「押す動作」と「引く動作」を以下にまとめてみました。

引く動作と押す動作

引く動作

・引くポジション:(腕相撲で)肩甲骨を背骨側に引いた腕と肩周辺のポジション
・ベンチプレス:大胸筋や上腕三頭筋という一部の筋肉の力を、バーベルを握った両手間の面に向かって押していく動き。重いものをじわーっとあげる場合であれば、この引くポジションをとったほうがよい。

・投げる動作:予備動作として、胸を意識的に張って、肩甲骨を背骨側に寄せる動き

・ボクシング:肩甲骨を背骨側に引き寄せて構える

・水泳:伸ばす腕と逆側に重心を置くとからだのまん中に向かって腕を引く動作になる

・自転車のペダリング:上がった足の側の骨盤が高くなる、ペダルを踏むときに腕で引きつけるようにしないと、踏む脚の筋肉に力が入らない。

押す動作

・押すポジション:(腕相撲で) 肩甲骨を外に放って、斜め前方下に押すポジション

・腕立て伏せ:両腕の幅を肩幅かそれより狭く閉じて、手の甲に対して体を押しつけていくようにする。押す動作のイメージで肘を曲げていく。

・投げ動作:予備動作の段階で、肩甲骨を力んで背骨側に引かずに、肩甲骨周辺の力を抜く。肩甲骨を背骨から離れた外の位置に放つようにして押すポジション(肩甲骨の外放ポジション)をとり、胸鎖関節から腕が動くようにする。

・ボクシングのパンチ:構えは、背中を横方向に張るように肩甲骨を外に放ったポジション。逆の手も脇をしめて、胸に押しつけていく感覚。両腕とも押す動作。押す動作は、すべて足し算。

・水泳:伸ばす腕の方向に体幹を平行移動させて重心をかけると押す動作の感覚をつかめる

開脚前屈:腹圧をかけて下腹を床に押しつけるようにすると、股関節がゆるんで上体を倒すことができる

・自転車のペダリング:足がいちばん上まであがってきたときには、もうすでに、上がった足側の骨盤は下に向かって落下するように下がりはじめていると、力まずに、体の重みをペダルに集めることができる。お尻がサドルの上で左右に揺らぐ。体重を落とすようにして、体まるごとの重みが落下する力をペダルに集めるようにする。このとき、下腹に腹圧をかけて、その下腹から押すようにする。手はハンドルを上から下方向に押す感覚。足で踏んだときに、踏んだ側の肘の力が抜け、肘がやや折れ曲がる。

 

 次にランニングフォーム改善に役立ちそうなポイントを抜粋します。以前に「本当のナンバ 常歩」という身体操作教本を紹介しましたが、その著者の木寺氏は小田伸午氏とつながりの大いにある方でした。常歩(なみあし)はこの2人と小山田氏(治療師)がメールをやりとりしたりして研究していた身体操作法です。 

前腕の回内・回外運動の軸

・肘が伸展している状態では、軸は小指を通るが、肘が曲がった状態では、中指を通る

 

伸張反射

・運動ニューロンが興奮する(筋紡錘=長さセンサー=ふくらはぎが引き伸ばされる)と、神経の細胞体からシグナルが軸索を伝わって筋肉を収縮させる。その結果、曲がった足首は自動的に必要なだけ伸ばされる。意識的に足首を強く伸ばそうとしてはいけない(筋肉を収縮させる指令は、脳から発せられていない)。⇒自然の働きを意識でつぶさない。

 

弾性エネルギー

=腱組織(筋肉組織が骨につく部分)の、引き伸ばされるとバネのように、もとに戻ろうとする性質をもつ。
・弾性エネルギーを有効に使うには、引き伸ばしの局面から短縮の局面に切り返す時間を短くすること。

・意識して筋肉に力を入れると、せっかくの伸張反射が台なしになり、切り返しの時間も長くなって、弾性エネルギーも有効に使えない。⇒膝の抜きによって、地面から返ってくる反力を利用する。

 

 走る速さを高めるトレーニング

・自転車こぎで最大速度を実感:このときやるべきは、リラックスすること、つまり「抜き」。ハンドルを引きつけると力んでしまうから、ハンドルは強く握らずに手のひらをあてるようにして、肩甲骨、肩、胸周辺(肩甲帯)をゆるめる。肘をゆるめる。股関節もゆるめる。自転車にからだを溶け込ませるようにしてからだをゆだねる。

 

 常歩(なみあし)

・肩のあがりは、胸鎖関節、肩甲帯がゆるんだ状態でぽんと跳ねあがるようにあがるのであって、僧帽筋の緊張、力みで起きるのではありません。したがって、腕振りは、肩を支点にして、前後に振るイメージではなく、肩甲帯が上下に動くのです。

・一瞬しか片脚立ちできない不安定性を利用して走るのが常歩の走り(二軸走)。動かないと安定しない走りといえる。あるいは、動くことによって安定する走りともいえる。この場合、左右の股関節と支持脚を結んだ線が軸(感覚)となる。左右に二つ軸感覚があるので、左右軸、あるいは二軸という。左右軸を基点として、重心が右と左に移動する。遊脚が着地に向かうときには、これから着地しようとする遊脚側に軸ができようとする。この動きが左右軸の切り換え。

・階段を下りるときは、誰でも膝を抜いて下ります。その抜く感覚を利用して、階段を小走りに下りてきて平地に出た瞬間に膝の抜きの感じをつかんでみてください。階段を下りる感覚で平地を走るのです。

・ももがあがるときに、遊脚側の骨盤をあげるような動きをしてはいけません。・・・遊脚はあがっているように見えますが、実は下がっていく力がかかっていないと、スムーズな遊脚の接地運動はできません。支持脚側に一瞬軸ができたら、すぐに遊脚側に軸ができます。左右軸の切り換えが遅い人は、遊脚が軸だと感じてみてください。

  階段を下りるときに「膝を抜く」動作をしているというのが新発見でした!なるほど、スタスタと階段を小刻みに下りていくときは膝を抜いているのでしょう。この感覚で歩いたり、走ったりすると膝を抜く感覚とともに押す動作ができるようになると思います!
 あとは、伸張反射と弾性エネルギーを別々に解説してあるところからも、新たな認識を得ることができました。この2つの現象が一緒に語られていることが多くいまいち理解ができていなかったのでしょう。とても参考になりました!

 

スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと