ランニング フォーム 改善! 股関節と肩甲骨を動かそう!

ランニングフォームの改善に役立つ教本や関連本を紹介、フォームを進化させて走力を上げましょう!

ランニング教本 「2時間で足が速くなる! 日本記録を量産する新走法 ポン・ピュン・ランの秘密」 川本和久 著

短距離のフォーム教本ですが、マラソンにも参考になります!

 

 先日、フルマラソン約1か月前の調整で、30K を走った時に20キロ過ぎでへばってしまいました。今まで身体をゆるめることでフォームを改造してきたのに…何か違っているのか?と悩んでいるときに、ふと目に留まったのが、本書です。
 何が目に留まったかと言えば、やはり「ポン、ピュン、ラン」です。何となく自分のフォームが身体をゆるめることばかり意識しているからか、「ボヨン、ボヨン」という走りになって、そのためにへばってしまっているのではないかという自覚があったので、この擬音語に飛びついてしったのでしょう。
 そして、読んでみて…なるほど…自分のフォームはやはり「ボヨン、ボヨン」だったのだと確信したのです。そして身体のゆるみも大切な一方、着地のタイミングで瞬時に身体の一部を固めることも大事なポイントだと確信したのです!

さて、著者は福島大学の教授だり陸上部の監督である川本氏。構成は第1章が「ポン・ピュン・ラン」という川本氏のメソッドが誕生するまでの指導者としての経験談など、第2章で具体的な「ポン・ピュン・ラン」の説明、第3章で「ポン・ピュン・ラン」のためのドリル、第4章で短距離でのスタート時のポイント、第5章で指導者としてのポイントを親御さんが子供を指導することを想定してアドバイスしています。

 

 

 第2章「2時間で足が速くなる!ポン・ピュン・ランをマスターする」のポイント抜粋です。

 

01 ポン・ピュン・ランをマスターしよう

・カラダをまっすぐにしたまま移動する
「カラダをまっすぐに」とは、地面に対して垂直に立つという意味ではありません。「カラダをまっすぐに」とは、背中と骨盤をまっすぐにすることです。・・・実際には、脚を動かす時におへそのところでカラダを曲げてしまい、背中と骨盤がまっすぐになっていない人が多いのです。

・「ポン」の動作で弾みながら走る ・「ピュン」の動作で遠くに跳ぶ
運動は、メイン動作と方向付けの動作に分けられます。メイン動作とはエネルギーを生み出す動作であり、方向付け動作とは生み出したエネルギーの方向を決める動作です。・・・短距離の場合、前脚の「ポン」がメイン動作、後ろ脚の「ピュン」が方向付けの動作です。

 

やはり、カラダをまっすぐする「軸」が重要なのですね。そして、「メイン動作」と「方向付け動作」と分けて解説してあるところが斬新です。

 

 

02 レースの局面で走り方を変える

スタートからゴールまでを
・第1段階:スタートダッシュ(=スピードを生み出す局面)
・第2段階:アクセル(=スピードを上げる局面)
・第3段階:中間疾走(=スピードを維持する局面)
の3つに分け、それぞれの局面でどのようにポン・ピュン・ランを実践していくか…

注目してほしいのは、カラダの傾き、足が地面に着地する位置、着地する時間、着地した時のヒザの屈伸、腕の振り方

 

 短距離走を想定した解説なので、レースの局面というと長距離走とは異なってきますが、「走り」という面では通じるものがあるので、身体の使い方や速度の出し方など参考になります。

 

 

05 中間疾走(=スピードを維持する局面)

・カラダをまっすぐに、骨盤を立てながら移動する
骨盤を立てたまま骨盤やお腹のあたりの筋肉を引き締め、腰まわりを固くするイメージを持ちましょう。おへその下に力を入れると、うまくいきます。この姿勢を空中でも維持します。・・・重い頭を前に進める感じで走るとよいでしょう。
・・・着地した瞬間に後ろ脚のヒザが前脚を追い越すことを意識して、後ろ脚の大腿を素早く前に引き上げます。そして前脚に力を加えるタイミングもその瞬間に合わせ、2本の脚を使って大きな力を地面に加えていきましょう。

・リラックスして脚を動かしていく
振り遅れないためには、後ろ脚を素早く前に戻すことが大切。そのためにはリラックスしてヒザを前方にスウィングし、脚を大きく、素早く、上から下におろします
・・・自転車に乗っているところを想像するといいでしょう。

・ヒザから下は何も考えない

・スピードが上がったらカラダの前で着地
足が着地したところに自分のカラダを乗り込ませながら力を加えていくイメージを持ったほうが上手に走れるでしょう。

・スタートダッシュでは「グイ・グイ」と言いながら、アクセルでは「ポン・ピュン・ラン」と言いなら走ります

 

やはり、短距離でいうところの「中間疾走=スピードを維持する局面」は長距離走の重要なポイントがてんこ盛りです。

 

 

 第3章「ポン・ピュン・ランを定着させる4つのステップ」のポイント抜粋です。

 

01 「白樺のポーズ」でまっすぐなカラダの軸を作る

一体化した背骨と骨盤を1つの物体として移動させようという意識を持つことから、ポン・ピュン・ランの練習がはじまります。

  1. かかとはつけたまま、できる限りつま先を開き、お尻にギュッと力を入れてまっすぐに立ちます。
  2. 両腕で木を抱くような姿勢を作ります(両肩を少し前に出す)。
  3. 腕を元の位置に戻してから、つま先も元に戻します(足を開いていた時の感じは残したまま)。
  4. 頭の上から糸で吊ってもらっている感じでスッと背筋を伸ばします。

 

高岡先生の本にも通じるような、「立ち方」からドリルが始まるのは偶然でしょうか。今回は、立ち方⇒ 足踏みやジャンプで動作確認⇒ ランニング という流れです。

 

 

02:「ポン・ポンジョギング」でウォーミングアップする

・まずは、「どっこいしょ走法」を卒業する
・カラダの真下で「ポン・ポン」とつくだけでも速くなる
・どの指の付け根で着地するかは、人それぞれ
大切なのは、カラダの真下に足をつく気持ちで、ヒザからフニャッと力を抜かないことです。

 

着地する位置は明確に指示していませんが、フォアフットを推奨しています。

 

 

03:「ポン」をマスターする

この動作は、
・脚を上から下に振り下ろす「ドライブ動作」
・地面にエネルギーを加えるタイミングを合わせる「追い越し動作」
に分けることができます。

・・・「1,2」という2拍のリズムではなく、「ポン」という1拍のリズムで追い越します。実際に「ポン」と声に出しましょう。

・・・自分のカラダをバスケットボールにして、地面に向かって力いっぱいドリブルするイメージ(ジャンプドリル)

 

「メイン動作」と「方向付け動作」というとメインの後に方向付けと捉えてしまいがちですが、1拍の動作なのですね。ちなみに「ポン」である必要はないようなので、自分は足音に近い「タッ」にしています。

 

 

04:「ピュン」をマスターする

方向付けの動作で大切なのは、タイミングと方向です。
・・・ピュンのタイミングは支持脚が地面に着地した瞬間です。この瞬間に後ろ脚の大腿が最大限に引き上げられていればいいでしょう。
その時は、腰が移動する前の方向に引き上げます。
大切なのは、「エネルギーが加わるタイミング」です。

ポンとピュンを融合させる時は、両脚をハサミにするイメージを持つといいでしょう。振り下ろした脚と引き上げた脚でものをポンと挟む感じで両脚を上から下後ろから前に動かしていきます

 

「ポン」と同様、自分は「ピュン」を「シュッ」にアレンジしています。「ン」を発音するとテンポが遅くなる気がして…

「両脚ハサミ」イメージで下方向・前方向に脚を動かすというのは重要ですね。

 

 

第4章「グイ・グイスタートで一気に差をつける!」からのポイント抜粋です。

 

・地面と両脚で平行四辺形を作るような気持ちで引き上げます

・着地した脚のヒザをギューッと伸ばして「グイ」と地面に力を加えます
 ヒザを伸ばす方向も、上の方向ではなく前の方向を意識する

カラダの傾きを作る時に大切なのは、引き上げた足が着地する位置

骨盤が前に出る動作を、腕振りで後ろから押してあげる

 

短距離走で重要となるスタート局面のポイントなのですが、長距離走でも速度を上げたい時にイメージすると役立つポイントにもなります。

 

 

第5章「ポン・ピュン・ランの指導とスプリンター精神」からの抜粋です。

 

「ポン」「ピュン」「グイ」を叫びながら走ると速くなる

動きをイメージさせる擬態語はとても便利

「グニャ」とか「チャ・チャ・チャ」という擬態語には悪い動作が含まれているはず

声を出すことはとても大切、声を出すとカラダがそのように動く

 

子供にスポーツを指導するときに、客観的な説明をしてはダメ、イメージを引き出すような言葉で、擬音語を使っていくことを説いています。なるほど、頭では分かっていても実践できないことって多いですよね。原因は「頭で考えること」そのものなのですね。ブルースリーの言うところの”Don't think! Feel" ですね(古い?)。

また、この擬音語の使い方と効用は、高岡先生の本「ゆる体操」にも通じますね。

 

2時間で足が速くなる!―日本記録を量産する新走法 ポン・ピュン・ランの秘密